家畜の衛生管理

伝染性疾病の発生予防

最終更新日 2023/11/16

家畜の伝染性疾病の発生には、「宿主」(病原体に感受性のある家畜)、「病原体」(細菌やウイルス)、「感染経路」(咳やくしゃみなどの飛沫、ネズミや渡り野鳥等の動物など)の3つの要因が必要です。このうちの1つでも欠ければ感染は成立せず、伝染性疾病は発生しません。センターでは、良好な飼養環境で「健康な家畜」を育てること、「病原体」の排除、「感染経路」の遮断に取り組み、伝染性疾病の発生予防に努めています。

家畜の健康管理

適切な栄養管理やワクチネーションとともに、快適な飼養環境になるよう努め、飼養している家畜が健康に過ごせるよう管理をしています。

ワクチン接種

快適な飼養環境の確保

病原体の排除
畜舎の洗浄消毒等

畜舎は定期的に洗浄(清掃)・消毒します。また、定期的に飼養環境の清浄性確認検査を行うことや、家畜の検査を行うことにより感染家畜を早期に摘発し、治療や淘汰を進めています。

畜舎の洗浄清掃

検査のための家畜の採血

検査の実施

感染経路の遮断(病原体の侵入防止)
ゾーニング

衛生管理区域を設定し、入場者の制限を行い、出入口での消毒、衣服や靴の交換などの衛生管理を重点的に実施することで、病原体の侵入リスクを低減します。出入口の数を必要最小限にするとともに、衛生管理区域とそれ以外を柵などで明確に区分するようにしています。

境界柵

関係者以外立入禁止の看板

人の防疫対策

外来者が衛生管理区域に入場する必要がある場合には、専用作業着・専用長靴への着替え履き替えと手指の消毒を行ったうえで入場してもらいます。(豚・鶏といった、より高いレベルの衛生管理を行っている畜種では、加えてシャワー浴を行ってもらいます。)

専用長靴に履き替え

手指の消毒

車両・物品の防疫対策

車両を衛生管理区域内に入れる場合には、高圧洗浄機による洗浄及び消毒剤による消毒を行います。靴底等を介した交差汚染を防止するために、車のフロアマットを区域内専用のものに交換し、フットペダルやハンドルの消毒も行います。
物品を区域内に入れる場合には、消毒剤や、紫外線照射による消毒を行います。

車両消毒

紫外線照射

野生動物対策

防鳥ネット、電気柵、物理柵の設置や、狩猟免許所持者によるわなの設置等を行い、野生動物対策をしています。また、草刈りや整理整頓といった環境整備も、野生動物の隠れ場所を無くす取組になります。

防鳥ネット

野生動物侵入防止の為の物理柵

イノシシ用箱ワナ

家畜導入時の対応

外部から家畜を導入する場合には、一定期間隔離飼養し伝染性疾病の感染が無い事を確認してから既存の群に入れるようにしています。