鶏の防疫

野鳥飛来状況モニタリング<2020秋~2021春>

最終更新日 2023/01/19
202011
11月4日,香川県三豊市の養鶏場でH5N8亜型による発生が,ついで11月7日に東かがわ市で発生がありました.
鹿児島県出水市のツル営巣地では,11月9日に採取された水からH5N8ウイルスが検出されました.同市内では,11月5日に採取された野鳥糞便からも同じ亜型のウイルスが検出されました.
 
香川県の野鳥飛来状況は,毎年1月に実施される環境省の調査データがあります.その調査によると,三豊市および東かがわ市に飛来したカモ類の羽数は下表のとおりです.北海道濤沸湖とくらべると,マガモなど同じ種類のカモ類のいることが分かります.一方,ホシハジロやキンクロハジロなど,濤沸湖では観察されていない種もいます.キンクロハジロは,鳥インフルエンザ拡散を考えるうえでリスクの高い種とされています.
11月10日,12日,14日および19日に三豊市でH5N8亜型ウイルスによる発生が続いています.
鹿児島県出水市では,11月15日にオナガガモ,16日にはスズガモのへい死個体からA型鳥インフルエンザウイルス(H2N9亜型)が検出されています(スズガモは確定検査で陰性でした).
16日にはツルのねぐらの水からH5N8ウイルスが検出されました.
北海道倶知安町では,死んだマガモからA型ウイルスが,新潟県瓢湖(ひょうこ)では湖水からH5N8亜型ウイルスがそれぞれ検出されています.
現在,日本全国にN5N8亜型ウイルスが存在していると推察されます.
11月20日,香川県三豊市でH5N8亜型による発生がありました.
11月23日,鹿児島県出水市では,ツルのねぐらの水から再度H5N8亜型ウイルスが検出されました.
11月24日,福岡県宗像市の養鶏場でH5N8亜型による発生がありました.
 
宗像市に飛来するカモ類ですが,環境省の調査では下記のとおりです.マガモとカルガモが多いのです.ほかの種類は,過去10年間に数十羽の飛来が記録されています.
11月25日,兵庫県淡路市の養鶏場でH5N8亜型による発生がありました.
淡路島に飛来するカモ類ですが,環境省の調査によると下記のようです.
兵庫牧場のある兵庫県南西部(西播地域)特にたつの市周辺にはどのような種類がどれくらいの羽数飛来しているのでしょうか.昨年の調査(下表)のように,種類,羽数ともに多いことが分かります.しばらくは,気を抜けない日が続きます
11月30日,宮崎県日向市の養鶏場でH5N8による発生がありました.日向市の南北に位置する延岡市と都農町とでは,野鳥糞便からH5N8が検出されています.
日向市に飛来するカモ類は下記のように報告されています.
※表のタイトルに誤りがありました(誤:日南市、正:日向市、12月3日訂正)
 
11月30日,
鹿児島県出水市:同月9日と同じ地点の水からH5N8亜型ウイルスが検出されました.
山形県酒田市:野鳥糞便から低病原性ウイルスH5N3亜型が検出されました.
202012
12月1日,宮崎県都農町と香川県三豊市:H5N8による養鶏場での発生がありました.
12月2日,宮崎県都城市:H5N8による養鶏場での発生がありました.
12月3日,和歌山県和歌山市:オシドリ死体H5N8が検出されました.
12月4日,岡山県:ハヤブサ死体 H5N8が検出されました.
12月5日,奈良県五條市:養鶏場で,H5N8による発生が起こりました.
12月6日,広島県三次市:養鶏場で,H5N8による発生が起こりました.
12月7日,
宮崎県都城市と小林市:養鶏場でH5N8による発生が起こりました.
鹿児島県出水市:ツルねぐらの水,H5N8が検出されました.
鳥取県鳥取市:野鳥糞便,H5N8が検出されました.
12月8日,
香川県三豊市:ノスリ死体,H5亜型ウイルスが検出され,詳細検査中.
北海道古平町:マガモ死体,H5亜型ウイルスが検出されました.
12月9日,
大分県佐伯市と和歌山県紀の川市:養鶏場でH5N8による発生が起きました.
鳥取県鳥取市:7日の野鳥糞便採取地点の水,H5N8が検出されました.
12月10日,岡山県美作市:養鶏場でH5N8による発生が起きました.
12月11日,
滋賀県東近江市:養鶏場でH5N8による発生が起きました.
大分県宇佐市:マガモ死体,H5亜型ウイルスが検出されました.
12月13日,
宮崎県宮崎市:養鶏場でH5N8による発生が起きました.
香川県三豊市:養鶏場でH5N8による発生が起きました.
12月14日,
宮崎県日向市:養鶏場でH5N8による発生が起きました.
鹿児島県出水市:水からH5N8が採取されました.
12月15日,
高知県宿毛市:養鶏場でH5N8による発生が起きました.
香川県三豊市:養鶏場でH5N8による発生が起きました.
鳥取県米子市:野鳥糞便から低病原性H5N2亜型ウイルスが検出されました.
12月18日,
徳島県阿波市:養鶏場でH5N8による発生が起きました.
宮崎県宮崎市:養鶏場でH5N8による発生が起きました.
鹿児島県出水市:ナベヅル死体からH5N8が検出されました.オナガガモの死体からH5亜型ウイルスが検出されました.
秋田県男鹿市と潟上市:野鳥糞便から低病原性H7N7亜型ウイルスが検出されました.
12月20日,奈良県大淀町:オオタカからA型ウイルスが検出されました.
12月21日,
鹿児島県出水市:ツルのねぐらの水からH5N8が検出されました.
鳥取県鳥取市:野鳥糞便からH5N8亜型が検出されました.
12月22日,
香川県三豊市:養鶏場でH5N8による発生がありました.
鹿児島県出水市:衰弱オシドリからH5N8が検出されました.
12月23日,
千葉県いすみ市:養鶏場でH5N8による発生がありました
埼玉県ときがわ町:フクロウ死体からH5N8が検出されました.
12月29日,宮崎県小林市:養鶏場でH5N8による発生がありました.
 推定飛来ルートおよび飛来する種の構成
今期12月初旬時点の鳥インフルエンザ発生は,西日本に集中しています.鳥インフルエンザウイルスはガンカモ類が運んでくると考えられていますが,いろいろな種類がいます.主に植物質の餌をとる種類,主に貝やその他の動物質を食べる種類に分けることができます(「フィールドガイド日本の野鳥」).また,日本は南北に細長いですが,地域によって飛来する種構成が異なります.また,飛来ルートも違うのです.
これらの飛来状況の違いが鶏インフルエンザ発生にどのように影響しているのかは,まだ十分には解明されていないのです.
地域ごとに飛来するガンカモ類の構成を見てみましょう.