肉用種とは、最初から肉用目的で生産される品種を指します。特にブロイラーを作るための鶏種を肉専用種、または単に専用種とも呼びます。なぜ専用種と呼ぶかですが、軽量な地鶏でも肉用に飼育されることや、卵用鶏の廃鶏も食用に回ることから、これらを区別するために、ブロイラー作出に使われる増体性の改良が進められた鶏種を肉専用種と呼びます。また、ロードアイランドレッド種や横斑プリマスロック種は、分類的には兼用種ですが、肉用タイプと卵用タイプにそれぞれ改良が進んでいるため、肉用タイプに改良された兼用種は準専用種とも呼びます。
肉用鶏と言った場合は、前述の肉用種を指して使う場合と、肉用とされる地鶏やブロイラー(コマーシャル鶏)を指している場合、また、どちらも含めて使っている場合とがあります。
肉用種鶏と言った場合は、肉用種の種鶏を指します。種鶏とは、コマーシャル鶏を生産するための鶏のことで、通常、コマーシャル鶏の親世代を種鶏(PS:Parent Stock)、その親世代を原種鶏(GP:Grand Parent)、そのまた親世代を原原種鶏(GGP:Great Grand Parent)と言いますが、PSからGGPなどを全て含んだ意味で種鶏と呼んでいる場合もあります。種鶏の使命は次世代のヒナを多く生産することなので、より高い産卵率が求められます。ニワトリは、体重が重くなると産卵率が減少する傾向にあります。肉用種鶏は体重が大きくなるように改良されていますが、産卵率を最大限に発揮させる飼育をしなければならないという難しさがあります。