独立行政法人
家畜改良センター茨城牧場

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防疫リスク管理

最終更新日 2017/06/26

養豚場における施設建設工事に係る防疫リスク管理について

オーエスキー病やPRRS等の家畜伝染病は、一旦侵入を許してしまうと多大な被害、信頼の低下、清浄化のために大変な苦労を強いられる事となります。
特に、養豚場において必要な施設の整備を行う際には、他の養豚場を頻繁に訪問するためにリスクが高いとされる養豚施設業者や、防疫に無頓着な建築業者が頻繁に来場することとなります。また、工事による動線やピッグフローの分断により、安定的に機能している平常時の防疫体制をそのままに維持できなくなります。
このため、施設建設工事を行う際には、平常時と比べて伝染病のリスクが高まるため、万全の防疫対応が必要となります。
ここでは、「養豚場における施設建設工事に係る防疫リスク管理」として、施設建設工事時に想定される防疫リスクと防疫リスクに対する対応策を紹介します。
※事例:A豚舎改修工事の防疫対応について
場内地図.pngの画像
(事前準備)
1.A豚舎、コンポスト施設等を含む場所をサブエリアに変更する(以下「工事エリア」)。
2.エリア間の間仕切りはナイロンネットフェンスで対応する。
3.不用意にコンポスト施設に作業員が立ち入らぬよう、コンポスト施設の通路側にネットフェンスまたはトラロープで閉鎖する。
4.作業員の更衣小屋及びトイレを設置。A豚舎に洗濯機、乾燥機を確保する。
5.作業員の迷い込み防止のため、バリケードでサブエリア内道路3カ所を封鎖し、案内板設置。また、休憩所周辺に迷入防止のトラロープ設置。
6.エリア変更の間仕切り設置後、移動ルート等に石灰を散布する。
7.作業員が作業中に使用するもの、作業着等については事前に搬入し、工事期間中は基本的に持ち出さない。
8.業者、作業員等を対象に防疫説明会開催(説明資料準備)。また、養豚場職員を対象に防疫説明会を開催。
9.工事用ゲートの南側ゲート付近に消毒器配置(消毒薬はビルコン)、プレハブ内に作業員移動用のつなぎ、靴、手指消毒用アルコール、防疫記録簿等を配置、隣接する豚舎区域に移動消毒器及び石灰配置。

(工事期間)
10.工事車両は南側ゲートから入場し、配置した消毒器で消毒(車内はアルコール噴霧)、車両防疫記録簿記入の上、工事区域へ移動する。
11.作業員の通勤車はゲート外に駐車(駐車できない場合はゲートのすぐ内側)。作業員はプレハブで更衣、履き替え、手指消毒、携行品アルコール消毒、徒歩でコンポスト横の更衣小屋へ移動。更衣小屋で作業着に更衣し、手指消毒、工事エリアに入る。
12.作業員への1週間ルール(「防疫遵守事項」参照)適用、初日に誓約書、その後入場の都度防疫記録簿記入、定期的に衛生担当者が巡回確認。
13.ストール設置業者は、1週間ルール遵守の上、正門近くの更衣室でシャワー浴の上、外回りで南側ゲートに移動し、他の作業員と同じ手続きにより工事エリアへ入る。
14.作業員の昼食は更衣小屋。私物の持込は更衣小屋まで。ただし、貴重品はアルコール消毒後工事エリアへの持ち込みを認める。

(工事終了後)
15.工事終了後は、工事作業員と同様のコースにより工事エリア内に進入し、A豚舎の洗浄・消毒・薫蒸を行う。
16.コンポスト施設に可能な範囲で石灰散布する。
17.工事エリアに石灰散布したのち豚舎区域に復帰させる。一連の作業が完了した後、間仕切り撤去。
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