飼料生産・環境対策
アルファルファの栽培
最終更新日 2018/06/07
はじめに
マメ科牧草の一つであるアルファルファ(ルーサン)は、タンパク及びミネラル含量が多く、その繊維の構造から高い乾物摂取量が得られるため高泌乳牛の飼料として非常に優れています。その一方で、原産地の中央アジアと異なり、湿潤で酸性土壌が多い日本の環境下での栽培については難しいというイメージが一般的で、なかなか導入に踏み切れない場合が多いようです。
岩手牧場では、昭和58年に導入後、試行錯誤を経て栽培技術を確立し、平成28年度現在、約80haを作付け、利用するに至っています。
栽培管理・収穫
造成時
火山灰性黒ボク土壌で容積重が軽く透水性に優れ、圃場自体の排水条件が良ければ栽培に適しています。深耕し、PHの矯正や熔リン等の改良資材の適正な投入も重要なポイントです。
播種・定着
収量性や雑草抑制、サイレージへの適性からオーチャードグラスと混播しています。秋播きを行い、初期生育を促し確実な定着を図ります。
定着後の管理
施肥は早春及び各刈取り後に行いますが、窒素は抑制気味にし、炭カルなども適宜散布します。除草剤については、現在は「チフェンスルフロンメチル水和剤(ハーモニー水和剤)」を活用して効果をあげています。
収穫
着蕾期の6月上旬に収穫を開始し、刈取り間隔は40~50日にします。モアーコンディショナーで刈取り後、葉部の脱落に気を配りつつ水分を整え、サイレージとして調製します。
 造成時(耕起) | |
|  チューブバッグサイレージの調製 |
品種について
 実証圃場 | |
|  草姿近影 |
過去には愛知県総合農試育成の「タチワカバ」、旧北海道農業試験場育成の「ヒサワカバ」、「マキワカバ」を主に使用してきましたが、現在は「タチワカバ」の後継品種である「ネオタチワカバ」及び民間育成の「ケレス」を主に栽培しています。
普及推進
酪農家や畜産関係者を対象とした栽培・利用セミナーなどを開催し、利用普及に努めています。また、来客者や見学者に対してもパンフレットを配布するなどして、随時アルファルファに対する理解を促しています。
 アルファルファセミナーの様子 | |
|  現地での生育状況観察 |