独立行政法人
家畜改良センター

家畜改良の推進、優良な種畜や飼料作物種苗の生産・供給等を通じて、
我が国の畜産の発展と国民の豊かな食生活に貢献することを使命としています

家畜改良

家畜改良センターの防疫への取組及び衛生状況

最終更新日 2017/05/25

センターでは、飼養衛生管理の徹底を図るとともに、伝染性疾病の早期発見・早期処置に取り組み牧場の清浄維持に努めています。
このため、家畜伝染性疾病の発生予防・まん延防止・検査、家畜等の配布・貸付等を行う場合の検査、検疫等の対策を実施しています。特に、センター業務を実施していく上で重大な支障となる伝染性疾病を指定疾病として位置づけ、その清浄性維持に努めています。
また、取り組んでいる衛生管理について、これまでの取組、収集した最新情報、防疫自己点検結果等を踏まえ、防疫対策の重点項目を定め、PDCAサイクルに基づく不断の見直しを進めています。
指定疾病
ブルセラ病、結核病、ヨーネ病、伝達性海綿状脳症、牛白血病、
牛カンピロバクター症、トリコモナス病
ブルセラ病、オーエスキー病、豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)
家きんサルモネラ感染症(ひな白痢)、鶏マイコプラズマ病(MG,MS)、
鶏白血病(肉用鶏のみ)、高病原性鳥インフルエンザ
めん羊 ブルセラ病、ヨーネ病、伝達性海綿状脳症
山羊 ブルセラ病、結核病、ヨーネ病、伝達性海綿状脳症、
山羊関節炎・脳脊髄炎(CAE)
馬伝染性貧血、馬伝染性子宮炎、馬パラチフス
全畜種共通 サルモネラ属菌(監視伝染病の血清型に限る)

1.発生予防

センター各牧場は、飼養衛生管理基準に基づく衛生管理区域(防疫エリア)を設定し、外部からの伝染性疾病の侵入防止などの衛生管理(バイオセキュリティ)を行っています。
具体的には、「牧場区域」「飼養管理区域」「畜舎区域」の境界を明確にし、各区域間を人や物が移動する際には、更衣、消毒等を徹底することにより、区域外からの家畜伝染性疾病の侵入防止を図っています。

2.まん延防止

けい養家畜に伝染性疾病の発生が確認された場合の家保への通報、緊急連絡、情報共有、まん延防止等の初動対応をルール化しています。
また、伝染性疾病が侵入した場合のまん延を最低限に抑えるための体制を整備しています。

3.検査

飼養家畜の清浄性を確認・証明するとともに、伝染性疾病の侵入やまん延を的確に把握するため、必要に応じ指定疾病の検査を実施しています。この内、定期的な自主検査の対象は、伝達性海綿状脳症、高病原性鳥インフルエンザ、馬伝染性貧血、馬伝染性子宮炎及び馬パラチフスを除く指定疾病です。

4.検疫

家畜等の導入にあたり、伝染性疾病の侵入を防止しセンターの清浄性を維持するため、検疫を実施しています。検疫では、畜種毎に定めた期間隔離観察し、指定疾病(伝達性海綿状脳症を除く。)の検査を実施しています。

5.家畜等の配布・貸付等を行う場合の検査

センターから配布・貸付等される家畜等の健康・衛生状態を担保するため、指定疾病(伝達性海綿状脳症、高病原性鶏インフルエンザ、馬伝染性子宮炎は除く。)について配布前に検査を行い、陰性であることを確認するとともに、必要に応じて「家畜等の衛生検査証明書」を発行しています。

6.各伝染性疾病の防疫対策への取組及び衛生状況

(1)ヨーネ病

ヨーネ病は、ヨーネ菌という細菌が、牛、羊、山羊等の反芻動物に慢性・頑固な下痢を特徴とする肉芽腫性の腸炎を引き起こす疾病です。ワクチンによる予防や治療方法がなく、摘発された動物は法律に基づき処分されます。
育種改良や種畜生産・供給を行うセンターにとって、ヨーネ病の侵入は非常に大きな影響を及ぼすと考えられます。
感染してから発症するまでの期間が非常に長く、見つかった時には下痢便を介して同居の動物にも感染を広げているおそれがあるため、定期的な検査により、早期に疾病を発見することが重要です。
牛を飼養している農場はヨーネ病の防疫対策を推進するため、農林水産省の定める「牛のヨーネ病防疫対策要領」に基づき、清浄性が確認・維持された農場は「カテゴリーI」、それ以外の農場は「カテゴリーII」に分類され、それぞれのカテゴリーに応じた防疫対策が取られます。

センターでは、家畜群の清浄性を確認するとともに、万が一侵入があった場合の早期発見のため、家畜の種類等に応じ毎年2~4回の自主検査を実施しています。
また、万が一侵入があった場合、まん延を最小限に抑えることによって早期の収束を図るため、ヨーネ病に感染するリスクが高い若齢牛への日頃からの感染防止対策を整備しています。
センターは、新冠牧場の一部を除き、牛を飼養している全ての牧場でカテゴリーIを取得しています。
羊や山羊を飼養している牧場も、自主的な定期検査で陰性を確認・維持しています。
なお、新冠牧場では、現在、北海道の指導を受け、清浄化対策を実施中です。
  • センターのヨーネ病対策
    • 侵入防止対策
      • 入場者の着替え・履き替え、外来車両の洗浄・消毒、フェンス設置等による野生動物の侵入防止対策等
    • まん延防止対策
      • 親子分離・初乳殺菌・妊娠牛の分娩前検査等による母子感染防止対策、若齢牛飼養場所の洗浄消毒・動線管理等
    • 検査
      • 毎年2~4回の自主検査、高齢牛又は妊娠牛の分娩前検査等
bokujyo_yone1605の画像

(2)オーエスキー病

オーエスキー病ウイルスの感染により、子豚の急死や、妊娠豚に流・死産を引き起こす疾病です。一度感染すると体内から一生ウイルスが消失しないため、生涯にわたって感染源となってしまいます。
我が国では、農林水産省の定める「オーエスキー病防疫対策要領」に基づき、全国の豚の飼養地域が、その清浄度に応じて、ステータスⅠ(清浄化の体制作り)、ステータスⅡ・前期(ワクチン接種の推進)、ステータスⅡ・後期(順次清浄性確認・ワクチン接種中止)、ステータスIII(検査による清浄性確認)、ステータスIV(清浄段階)に分類され、ステータスに応じた防疫対策が取られています。

センターでは、豚の育種改良を行う茨城牧場・宮崎牧場において、SPFレベルのバイオセキュリティを整備し、侵入防止に努めています。
過去に一部の牧場でオーエスキー病の発生がありましたが、現在は全ての牧場で清浄性を確認・維持しています。
oesukiの画像

(3)高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)

我が国では散発的にHPAIが発生していますが、これまでのところ関係者の尽力により、国内全体にまん延する前にその都度撲滅されています。

センターでは、鶏を飼養している岡崎牧場・兵庫牧場では、日頃から自主的な検査や毎日の観察で異常鶏がいないかどうか調べるとともに、消石灰散布による場内の消毒や、調整池にテグスを張って水鳥が近づかないようにするなどの措置を講じて、疾病の侵入防止に努めています。
また、国内でのHPAI発生や野鳥からのウイルス検出があった場合に追加の防疫対策を円滑かつ迅速に発動できるよう準備しています。
両牧場とも、高病原インフルエンザをはじめ、各種伝染病疾病の清浄性を維持の画像

(4)地方病性牛白血病

地方病性牛白血病は、ウイルスの感染により全身性に悪性リンパ肉腫を形成する疾病で、感染してから発症するまでの期間が長く、ワクチンによる予防や治療方法はありません。
育種改良や種畜生産・供給を行うセンターにとって、本病の侵入は非常に大きな影響を及ぼすと考えられます。
ウイルスに感染した血液が感染源となり、注射器具や直腸検査用手袋の使い回し、吸血昆虫(アブ)を介して伝播する他、感染母牛の子宮内感染も報告されています。

センターでは、器具の適正な取扱い、吸血昆虫の駆除、外部導入牛の検疫等により侵入防止に努めるとともに、毎年の定期検査による清浄性の確認を行い、清浄を維持しています。
さらに、牛の国際取引に適用されるOIEの基準では、感染牛の摘発がないことに加え、36か月以内の間隔での全頭検査(24か月齢以上の牛)で陰性であることが清浄農場に求められており、センター各牛牧場はこれを満たしています。
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