動植物の新しい品種や新しい食料の開発を行う場合、その基礎となる生物が必要となります。そこで、農林水産業、食品産業等の技術開発の基礎資源である生物遺伝資源を収集、保存、配布する業務が実施されており、総称してジーンバンクといいます。農林水産省では、生物全般におけるジーンバンクの業務を行っています。
このうち、農業・食品産業技術総合研究機構基盤技術研究本部遺伝資源研究センターが中心となって、農業生物資源ジーンバンク事業(植物遺伝資源部門、微生物遺伝資源部門、動物遺伝資源部門、DNA部門)を行っており、家畜改良センターは、植物及び動物遺伝資源のサブバンクとなっています。
家畜改良業務
家畜改良
動物遺伝資源ジーンバンク
最終更新日 2023/08/21
動物遺伝資源ジーンバンク
動物遺伝資源部門は、農業・食品産業技術総合研究機構基盤技術研究本部遺伝資源研究センターをセンターバンクとし、農業・食品産業技術総合研究機構畜産研究部門、生物機能利用研究部門、農業環境研究部門及び家畜改良センターをサブバンクとする体制で事業が推進されており、家畜、家きん、実験動物、昆虫を対象に有用遺伝資源の収集、 特性調査 、保存、配布等を行っています。動物遺伝資源部門の運営体制
実施機関 | 取扱い動物名 | |
---|---|---|
センターバンク | 農業・食品産業技術総合研究機構 基盤技術研究本部遺伝資源研究センター |
家畜、家きん、蚕など |
サブバンク | 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 |
家畜、家きん、ミツバチ類 |
農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門 |
昆虫培養細胞、蚕など | |
農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境研究部門 |
天敵昆虫、有用昆虫類 | |
家畜改良センター | 家畜(牛、馬、めん羊、山羊、豚、うさぎ)、家きん |
特性調査
特性調査はその目的によって1次特性調査、2次特性調査、3次特性調査に分けられています。
- 特性調査項目の仕訳
1次特性 | 品種系統などの識別に必要な形態的な特性で、観察や簡単な測定で調査できるもの (毛色、角、頭形、乳房、体格、体形等) |
---|---|
2次特性 | 遺伝資源として利用上重要な体重、整理特性など また血液型染色体のような高度な分析技術を要するものを含む (体重、体高、胸囲、血液型、染色体数、抗病性等) |
3次特性 | 経済能力に関する特性(繁殖性等) (性成熟、精液性状、発情周期、妊娠期間、肥育成績、泌乳成績等) |
家畜改良センター動物遺伝資源保存状況
家畜改良センター(十勝牧場、岩手牧場、茨城牧場、長野支場、岡崎牧場、兵庫牧場、鳥取牧場、宮崎牧場)は、家畜・家きんを対象に品種・系統単位で多様性のある遺伝資源を収集し、生体及び生殖細胞で保存しています。
令和2年度末動物遺伝資源保存数
畜種 | 点数 |
---|---|
牛 | 24 |
馬 | 7 |
豚 | 4 |
めん羊 | 18 |
山羊 | 19 |
鶏 | 17 |
うさぎ | 4 |
合計 | 93 |
(単位:点)