家畜改良

乳用牛評価

最終更新日 2017/02/28

 我が国の乳用牛遺伝的能力評価は、1969年度にステーション方式による後代検定において最小二乗法と呼ばれる方法を育種に用いたのが始まりであり、1989年度にはBLUP法MGSモデルの導入により、後代検定中の種雄牛、既に一般供用されている種雄牛および過去に利用されていた種雄牛を同じ基準で比較できるようになりました。1992年度からは、BLUP法アニマルモデルの導入によって、泌乳・体型記録及び血縁情報をもとに雌牛の遺伝的能力を評価することが可能となり、1998年度からの総合指数の導入によって、泌乳のみでなく体型も考慮した総合的な改良が行われるようになりました。
 2003年からは、インターブルによる国際評価に参加しており、国内牛の遺伝的能力評価値をもとに参加国間における遺伝相関と種雄牛間の血縁関係を利用した国際評価値が算出され、その評価結果によって我が国の種雄牛と他国の種雄牛の能力を比較することが可能になりました。以降、国際的な方式を基準に、指数の開発、評価モデルの変更、新たな形質の導入など、刻一刻と進む遺伝的能力評価法の進歩に対応がとられてきました。

 現在、従来の推定育種価と個体のSNP情報をもとに遺伝的能力評価値を算出するゲノミック評価が導入されており、2013年度には、これまで遺伝的能力評価値を得られなかった未経産牛について、我が国で初めてとなるゲノミック評価値が公表されました。さらに、2017年2月からは後代検定済種雄牛および若雄牛が、同年8月からは経産牛が、ゲノミック評価値の公表対象となっています。

 遺伝的能力評価値は、事業を通じて全国の参加農家から収集された情報をもとに算出されています。 乳用種雄牛後代検定事業(後代検定)および乳用牛群能力検定事業(牛群検定)において(一社)家畜改良事業団が収集する泌乳記録、(一社)日本ホルスタイン登録協会が行う体型審査等による体型記録および血統登録をもとにした血縁情報、およびこれらの仕組みをベースにSNP情報が収集され、種雄牛作出および牛群の改良に活用されています。