家畜改良

乳用種雄牛後代検定事業(後代検定)

最終更新日 2017/02/28

 この事業は、後代検定と呼ばれるもので、遺伝的に優れた能力を有することが科学的に証明された種雄牛(検定済種雄牛)を計画的に作りだし、その広域的な利用を促進するための事業です。

 個体の遺伝的能力をその子供(後代)の検定記録から推定する方法を後代検定といい、これは乳用牛の雄の泌乳能力のように個体そのものでは測定できない形質について選抜を行う場合に有用な検定方法です。

 事業の仕組みは、以下のようになっています。

  候補種雄牛を選ぶ
 各民間人工授精事業体及び国が選定あるいは計画的に交配し生産した若雄牛を候補種雄牛として後代検定にエントリーする。
 これらの候補種雄牛は、「候補種雄牛確保及び候補種雄牛選抜のためのガイドライン」に基づいた国内・国外のトップレベルの種雄牛、種雌牛から生産されている。
  娘牛(後代)を生産する

 候補種雄牛の精液は、全国の牛群検定参加農家で飼われている雌牛にランダムに交配され、生まれてくる娘牛はその農家に保留されて泌乳記録と 体型審査記録等が得られる。

  娘牛の記録から遺伝的能力を評価する

 検定農家から得られたこれらの記録は、(一社)家畜改良事業団及び(一社)日本ホルスタイン登録協会でまとめられたあと家畜改良センターに送られ、種雄牛の遺伝的能力評価が実施される。
発表された評価成績によって候補種雄牛の中から選抜されたものだけが、検定済種雄牛として一般に広く利用される。

  評価値を活用する

 発表された評価成績や評価についての詳細は、「乳用種雄牛評価成績」(いわゆる赤本、(一社)家畜改良事業団発行)および家畜改良センターの「乳用牛評価報告」(家畜改良センター発行)として、後代検定事業関係者や大学、研究機関等に配布され、交配指導や学術関連資料等として活用される。