飼料作物種子の検査
最終更新日 2021/03/19
OECD品種証明制度とは

OECD品種証明制度は、OECD(経済協力開発機構)が国際的に標準化した相互証認制度で、作物の種子が国際間で流通する際に、種子が生産された国の指定機関がその種子の品種について真正性を保証するものです。作物のグループ別に下記のスキームに分類されています。

1.イネ科及びマメ科牧草
2.アブラナ科及びその他の油糧または繊維種
3.穀類
4.飼料用及び砂糖用ビート
5.サブタレニアンクローバ及び類似種
6.トウモロコシ
7.ソルガム
8.野菜

加盟国は2020年12月現在61カ国で、日本は1、2、3、4、6及び7の6つのスキームに加盟しています。
長野支場はこのうち1、3、6及び7のスキームを実行する国内唯一の実務機関として、イネ科及びマメ科牧草、エンバク、トウモロコシ、ソルガム等の飼料作物種子の品種証明を行っています

※ こちらのページも併せて御覧下さい。 家畜改良センターOECD種子関連ホームページ

検定の流れ

海外へ輸出される飼料作物種子について、各種検定(ほ場検定、種子検定、事後検定)を行い、すべての基準を満たした荷口に品種の真実性を証明するOECDラベルを添付します。

1 ほ場検定

採種作物が品種の特性を示しているか、また収穫される種子の品質に害を与えるような状況下でないかを審査します。
具体的には、ほ場内に異型個体がないか、ほ場内に品種純度を下げる花粉が飛来してこないか、生産される種子に混入してはいけない雑草はないか、ほ場の過去の作付状況等の確認をして種子の品質を低下させる要因がないかを審査します。

 ギニアグラスほ場検定

ギニアグラス採種ほ場

出穂期にほ場を審査します

2 種子検定

ほ場検定に合格した種子の荷口から一部を検査試料として抽出し、国際種子検査協会の「国際種子検査規程」に準じて、種子の品質に問題がないかを検査します。
具体的には、種子の発芽率、異物や他の種子の混入の有無、種子の重量・水分含量の測定等を実施します。

 ギニアグラス種子検定

採種したギニアグラス種子

純度分析

発芽検査

3 事後検定

採種種子を標準種子と比較栽培し、品種の同一性と品種純度が保たれているかを検査します。
具体的には、植物体の特性が一致しているか、また植物体の中に異型個体や類似作物がないかを検査します。

 ギニアグラス事後検定

セルトレイへの播種

育苗

ほ場への定植

事後検定中のギニアグラス

4 指定種苗の集取・検査

種苗法に基づき、農林水産大臣の指示の下、家畜改良センター職員が種苗業者に立ち入り、飼料作物種子が適切な情報提供の下で販売されているかを検査します。
具体的には、熊本牧場の職員は九州や中国地方の種苗業者に立ち入り、種苗の入った包装容器に表示されている事項に不備がないかチェックするとともに、種苗のサンプルを集取します。
サンプルとして集取した種苗は、家畜改良センター茨城牧場長野支場において発芽率等を検査します。