飼料作物種子の増殖のしくみ
最終更新日 2023/09/22

飼料作物種子の増殖は2段階で行われます。
1段階目の増殖は日本で行います。日本では育種家種子から原原種子を増殖し、原原種子から原種子を増殖します。
2段階目の増殖は海外で行います。海外では日本が輸出した原種子から保証種子を増殖します。

2段階で種子を増殖する理由

公的試験研究機関(育種機関)で育成された新しい品種の種子(育種家種子)はわずかな量です。新しい品種が流通して広く利用されるためには、育種家種子を何倍にも増殖する必要があります。一回の増殖で得られる種子の量は限られているため、国内と国外の2段階で種子の増殖を行っています。

種子増殖の過程においては、他品種との受粉や気候条件等の影響により、その品種が持つ優良な特性に変化を生じなさせない事が重要となります。

そのため、本来は日本国内で3世代とも増殖するのが望ましいのですが、日本では飼料作物の多くの開花・結実期である5~7月に梅雨と重なること、種子生産に必要な広大な用地の国内での確保が困難であることなどから、最終世代は海外において生産しています。

海外で増殖された種子は、日本に輸入され、種苗会社を通じて流通します。

海外での種子の増殖は「OECD種子制度」という、OECD(経済協力開発機構)の定めた「種子の品質を国際的に保証する制度」を活用して品質保持が行われます。