独立行政法人
家畜改良センター茨城牧場長野支場

家畜改良の推進、優良な種畜や飼料作物種苗の生産・供給等を通じて、
我が国の畜産の発展と国民の豊かな食生活に貢献することを使命としています。

山羊の放牧に関するQ&A

最終更新日 2017/01/25

Q1 ザーネン種を1頭放牧するのに広さはどれくらい必要でしょうか?
A1 1頭あたり10aが目安となります。山羊の採食量は、1日あたり乾物で体重の3%、生草では体重の15%程度です。体重60Kg の山羊の場合、1日あたり乾草で1.8kg、生草では9kg程度を採食するので、その量の草が確保できる面積が必要となります。


Q2 放牧はどの様な方法で行うのでしょうか?
A2 除草管理を行いたい場所や土地・地形に応じて放牧する方法と繋牧する方法があります。


○放牧
・電気牧柵使用:電気の通った柵で囲い、中で自由に放牧する方法です。最初に馴致を行う必要があります。
・フェンス使用:金網のフェンスをで放牧地を囲い放牧する方法です。
  
(利点)
広い範囲を自由に除草させるのに適している。
多頭数の山羊を放牧する事ができる。
繋牧に比べて、長期間同じ場所に放しておく事ができる。
  
(欠点)
設置に手間や経費がかかる。
広い土地が必要。
放牧地内に毒草や食べさせたくない物がないよう注意が必要。

○繋牧
・繋牧器に繋ぎその範囲内を採食させる方法です。(繋牧器は創意工夫コーナーで紹介)

(利点)
経費がかからない。
狭い場所での除草が可能。。
設置が簡単、一人でも設置が可能。

(欠点)
広範囲の除草が難しい。
短期間の放牧で移動させる必要がある。

Q3 放牧中に逃亡しませんか?
A3 繋留ロープが切れたり、杭が抜けたり、電牧柵を脱柵したり、山羊が逃亡する可能性があります。 

(対策)
・放牧地の草が少なくなる前に、別の場所に移動する。
・複数頭で放牧する。(逃亡しても、他の山羊の近くにいるため遠くへいかない。)
・出来るだけ人になついている山羊で放牧を行う。

Q4 放牧(繋牧)するにあたって注意点はありますか?
A4 注意すべき点は以下の通りです。
 
○周辺住民の理解
どんなに気をつけても、山羊が脱柵、逃亡し、周辺の畑を荒らしたり周辺住民に迷惑をかけて しまう場合があります。
放牧を行う場合は事前に周辺住民への許可を取りましょう。
 
○馴致 
繋牧、電牧による放牧どちらの場合でも、十分な馴致を行いましょう。

○毒草
事前に、放牧地周辺に生息する毒草を確認し、毒草を摂取しないよう対策を取ってください。
 
○事故
繋牧時、特に傾斜地で繋牧を行う際は、脚を滑らせて転倒し首つり事故が発生することがあり ます。
傾斜地での繋牧では、ワイヤーを斜面の下に張ったり、斜面に対して斜めに張るなどして事故防止に努めましょう。

○樹木への食害
山羊は樹皮をかじって木を枯らす事があります。放牧範囲内にある木には鉄のネットを巻くな どして、山羊にかじらせないよう防御策を講じてください。
 
○害虫、寄生虫
近くに牛がいる場合、腰麻痺に注意が必要です。獣医師と相談してイベルメクチンの接種を行 いましょう。

○野犬など
地域によっては放牧中の山羊が野犬などに襲われる事もあります。
定期的に見回りに行く、夜間は柵の中に収容するなどの対策が必要です。

○鼓張症
クローバーなどマメ科の植物を大量摂取をさけ、腹部の張りがないか体調の変化を注意して観 察してください。

○熱中症
いつでも水分補給ができるよう水桶を設置し、また、日差しを遮る木陰が有る場所で放牧する か日除けを設置してください。
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