独立行政法人
家畜改良センター茨城牧場長野支場

家畜改良の推進、優良な種畜や飼料作物種苗の生産・供給等を通じて、
我が国の畜産の発展と国民の豊かな食生活に貢献することを使命としています。

家畜改良増殖目標

最終更新日 2017/08/25

過去の家畜改良増殖目標

回 次 公表時期 目標年度 目標値
泌乳期間(日) 総乳量(㎏) 体高(㎝) 体重(㎏)
第1回 昭和37年 昭和46年 220≦ 300≦ 83 74 70 55
第2回 昭和44年 昭和52年 220 300 83 74 70 55
第3回 昭和50年 昭和60年 220≦ 400≦ 83 74 70 55
第4回 昭和55年 昭和65年 240≦ 480≦ 83 75 73 61
第5回 昭和63年 昭和70年 250 520 85 75 85 61
第6回 平成8年 平成17年 250 580 87 77 89 67
第7回 平成12年 平成22年 250 560
第8回 平成17年 平成27年 (250程度) 600
第9回 平成22年 平成32年 250 600
第10回 平成27年 平成37年 250 600

第10回家畜改良増殖目標

Ⅶ. 山羊

1.改良・増殖をめぐる現状と課題
山羊は、乳利用を目的として主に日本ザーネン種が飼養されている。また、沖縄等では肉用としての利用がされており、大型化及び産肉能力の向上を目的として在来種と日本ザーネン種、ボア種等の交雑利用も行われている。
近年では、チーズ等の乳製品加工・販売の取組がみられることから、更なる泌乳能力の向上が求められている。
また、畜産物利用だけでなく、高い放牧適性をいかした耕作放棄地の有効活用や景観保全への活用、小型で扱いやすい特性をいかした、ふれあいによる安らぎや癒やし効果の発揮や教育への活用、地域特産品づくり等の多様な利活用も行われている。このため、飼養及び衛生管理技術の向上を図るための情報提供等が重要となっている。
一方、血統登録頭数の減少に伴い、優良純粋種の維持・確保も課題となっており、優良な種畜の広域的な利用に向けた情報の共有や利用目的に応じた種畜供給を推進する必要がある。
2.改良目標
(1)能力に関する改良目標

生産物の需要に応えるため、斉一化に重点を置き、安定した生産体制づくりに努めるとともに、生産コストの低減を図るため、繁殖能力の向上とともに、乳用にあっては山羊乳、乳製品の需要に対応するため泌乳能力の向上に努め、肉用にあっては産肉能力の向上に努めるものとする。
また、草類に対する食性の幅が広く、牛やめん羊が好まない雑草等も採食するなどの採食特性をいかしつつ、地域での山羊の多様な利用を図るものとする。

①繁殖能力
受胎率の向上に努めるとともに、肉用にあっては、さらにほ育能力等の向上に努めるものとする。

②泌乳能力
ザーネン種等の乳用にあっては、乳量の向上に努めるとともに、乳成分の維持・向上に努めるものとする。
表:能力に関する目標数値
総乳量(250日換算)
現在 468㎏
目標(平成37年度) 600kg
注1:ザーネン種のものである。
注2:総乳量は、産次、分娩後日数、1日当たりの乳量を基に、泌乳期間を250日換算して算出したものである。

③産肉能力
ボア種等の肉用にあっては、発育性、増体性及び枝肉歩留りの向上に努めるものとする。

(2) 体型に関する改良目標

①強健で肢蹄が強く、体各部の均称のとれた飼養管理が容易な大きさのものとする。

②乳用にあっては、乳器に優れ、搾乳が容易な体型のものとする。肉用にあっては、体積に富み後躯が充実したものとする。

(3) 能力向上に資する取組

①改良手法
ア.血統登録情報を活用した近親交配の回避と間性(注)等の不良形質の排除に配慮した交配に努めるものとする。
イ.客観的な能力評価手法の活用に向けた取組を推進するとともに、そのデータ収集に努めながら、優良な種畜を選抜・育成するための改良手法への応用についても検討を進めるものとする。

注:間性
遺伝的に雌であるにもかかわらず雌雄の特性を併せ持ち、繁殖能力のないものをいう。無角の個体同士を交配して産まれた無角の雌において間性が生じる可能性が高いため、このような交配を避けることにより間性の発現を避けることができる。

②優良な種畜の確保
純粋種の減少及び種畜の不足が危惧されていることから、関係機関や飼養農家の協力の下で、優良な種畜の供給体制づくりを推進するものとする。

③人工授精技術の活用
効率的な改良・増殖を進めるため、家畜人工授精師の育成等を通じた人工授精技術の向上を図るとともに、人工授精技術の活用により優良種畜の広域的な利用に努めるものとする。

④飼養・衛生管理
ア.飼養及び衛生管理技術の向上を図り、人工ほ乳技術を活用した子山羊の損耗防止や分娩前後の母山羊の適正な栄養管理等による生産性の向上に努めるものとする。
イ.山羊乳、乳製品又は食肉等の利用目的に応じた適切な品種の選定や、その能力を発揮させるための飼養管理の改善に努めるものとする。
ウ.暑熱対策等の実施のほか、家畜疾病の発生予防及びまん延防止のため、生産者における飼養衛生管理基準の遵守の徹底について指導するものとする。

⑤多様な利活用に関する情報共有
山羊の多様な利活用に関する情報の収集・共有を図るとともに、利用目的に応じた優良な山羊の供給体制づくりを推進するものとする。

3.増殖目標
飼養頭数については、乳用、肉用それぞれの需要動向に応じた頭数となるよう努めるものとする。

(参考)山羊をめぐる情勢

①山羊をめぐる情勢
我が国の山羊飼養は、自家消費の乳用として1、2頭飼いが主流であったものが、近年は山羊乳・乳製品販売のために多頭飼いを行い商業的に取り組む農家も出てきている。
山羊乳については、その機能性(低アレルギー、高タウリン等)により注目が高まり、近年、機能性に係る研究開発が行われている。
飼養頭数は、約1.9万頭(平成25年)である。山羊肉については、年間約300トン(平成24年)の需要があるが、そのうち国内生産は約56トンと全体需要の約18%である。

②これまでの改良の取組
山羊の改良は、昭和10年代から30年代までに乳用の利用を目的としてザーネン種の種畜導入が図られ、国及び都道府県において行われた研究、系統造成、種畜の民間への配付により、
泌乳能力等の改良及び繁殖技術の開発が図られ、日本ザーネン種が作出された。昭和40年代後半以降は、国を中心に種畜の配付が継続的に行われ、昭和59年からは、凍結精液の作成・配付も行われている。
近年、沖縄県では肉用種であるボア種、独立行政法人家畜改良センターでは乳用種であるザーネン種をニュージーランドから導入し、これらを基にした種畜生産が進められている。

※ 家畜改良増殖目標を詳しくご覧になりたい方は、農林水産省のHPをご覧下さい。
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