1.目的
当場の過去の調査結果から、ライグラスの早生系統では条間を狭めることで採種性の改善が確認されていることから、オーチャードグラスの単位収量の向上のため、従来の慣行法である75㎝条間に対し、50cm条間で採種性が改善するか調査した。
2.実施年度
平成25年度 (実施期間:平成24年度~平成26年度)
3.要約
オーチャードグラスの極早生品種「アキミドリⅡ」の採種2年目のほ場を用いて畝間75㎝条播栽培(慣行区)と増肥区(慣行施肥の1.5倍)、畝間50㎝条播栽培(調査区)で採種を実施した。密植 ・増肥により倒伏は認められなかった他、密植により出穂茎数は484本/㎡と慣行に比べ増加したが、採種性の改善は認められなかった。また、慣行密度での春肥の増肥により穂長・穂重の増加が認められたことから、採種性の改善に春肥の施肥量が関与することが示唆された。
4.成果の概要
オーチャードグラスの早生品種「アキミドリⅡ」の採種2年目のほ場を用いて畝間75㎝条播栽培慣行区)と畝間50㎝条播栽培(調査区)で比較採種試験を実施した結果、栽植密度により採種関連形質である出穂茎数の増加は認められたが採種性の改善は見られなかった。
また、慣行の密度でも春肥の増加により、穂長・乾物穂重の採種関連形質の改善が認められたことから、次年度は更に施肥量を増肥し採種性を評価することとした。
5.具体的データ
2013年度 オーチャードグラスにおける栽植密度の違いによる採種性の改善に関する調査
最終更新日 2016/09/27
オーチャードグラス採種栽培の単収向上のための栽植密度改善調査の生育及び採種量比較
項目 | 穂長 | 乾物穂重 | 乾物茎葉重 | 出穂茎数 | 採種量 | ||
区分 | 条間(cm) | 施肥N:P:K(kg/10a) | cm | g/㎡ | g/㎡ | 本/㎡ | kg/10a |
調査区 | 50 | 6.7:6.7:6.7 | 16 | 97 | 516 | 484 | 27.99 |
増肥区 | 75 | 6.7:6.7:6.7 | 18 | 100 | 545 | 413 | 35.68 |
慣行区 | 75 | 4.5:4.5:4.5 | 16 | 93 | 520 | 434 | 35.66 |