ア.堆肥散布
当場で飼養している山羊の糞や敷料等を原料にして堆肥を作っています。出来上がった堆肥は、起土を行う前に散布し、起土作業時に土中に混合しています。
主な牧草類の採種栽培体系
最終更新日 2017/01/25
1.播種準備
堆肥舎 |
マニュアスプレッターによる堆肥散布作業 |
イ.起土
前作の作物や雑草、散布した堆肥等を地中に鋤込むとともに、表層部の土壌と深層部の土壌を反転します。
前作の作物や雑草、散布した堆肥等を地中に鋤込むとともに、表層部の土壌と深層部の土壌を反転します。
プラウによる起土作業 |
ウ.砕土
起土された土塊を破砕、混和し、適度な鎮圧と均平を行い、前作物の残査を処理して播種の場を作ります。
起土された土塊を破砕、混和し、適度な鎮圧と均平を行い、前作物の残査を処理して播種の場を作ります。
ディスクハローによる砕土作業 |
ディスクハロー作業後の地面 |
エ.石灰散布
土壌の酸性改良及び作物のカルシウム供給源として石灰や炭酸カルシウムを散布します。
散布作業には、粉状の石灰資材はライムソワーで、粒状の石灰資材はブロードキャスターで散布します。
土壌の酸性改良及び作物のカルシウム供給源として石灰や炭酸カルシウムを散布します。
散布作業には、粉状の石灰資材はライムソワーで、粒状の石灰資材はブロードキャスターで散布します。
ライムソワー |
オ.均土
砕土したほ場の地表を均平にして、播種作業を良好にし、種子の発芽を均一にするために行います。
砕土したほ場の地表を均平にして、播種作業を良好にし、種子の発芽を均一にするために行います。
アップカットロータリーによる均土作業 |
アップカットロータリー作業後の地面 |
カ.施肥
播種時に基肥として、また、作物の生育に伴い適宜追肥を行います。
播種時に基肥として、また、作物の生育に伴い適宜追肥を行います。
ブロードキャスターによる施肥作業 |
2.播種・移植
キ.播種
当場では栽培中の管理作業の為に条播もしくは点播を主体に播種します。ほとんどのイネ科、トウモロコシ、ソルガムはこのような方法で播種します。
当場では栽培中の管理作業の為に条播もしくは点播を主体に播種します。ほとんどのイネ科、トウモロコシ、ソルガムはこのような方法で播種します。
プランターによる播種作業。(種と肥料が落ちているか、後の人がチェックします。) |
種と肥料と薬剤を同時に播くことが出来ます。 |
ク.移植
作物によっては、直接ほ場に種子を撒いても発芽が悪かったりするものがあります。
その為、草種によっては苗を育ててほ場に植え付ける移植栽培も行っています。
作物によっては、直接ほ場に種子を撒いても発芽が悪かったりするものがあります。
その為、草種によっては苗を育ててほ場に植え付ける移植栽培も行っています。
カラードギニアグラスの育苗 |
カラードギニアグラスの移植作業 |
シロクローバの育苗 |
シロクローバ圃場の定植作業 |
ウ.施設栽培への移植
アルファルファ、シロクローバは
施設栽培
も行っています。
アルファルファ施設の定植作業 |
3.管理作業
コ.中耕
播種・定植後は条間を耕耘し、除草と土壌物理性の改善を行います。草種、畑の状態、気候により1~5回/年行います。
また、翌年に続けて採種する場合も越冬初期にカルチとミニカセットローターで条間を耕します。
播種・定植後は条間を耕耘し、除草と土壌物理性の改善を行います。草種、畑の状態、気候により1~5回/年行います。
また、翌年に続けて採種する場合も越冬初期にカルチとミニカセットローターで条間を耕します。
ミニカセットローターによる中耕作業 |
条間をロータリーで耕耘します |
カルチによる中耕作業 |
条間を鋤で耕転します |
サ.除草
ほ場に雑草が繁茂すると、栽培している作物に直接・間接に悪影響を及ぼすため適宜除草を行います。
当場では種子生産を行っている為、栽培作物の収穫時に雑草の種子が混入することが無いように生育初期は中耕作業機械を用い、作業機が入れなくなったり、作業機で除草しきれない部分は人力によるホー除草を行っています。
また、除草剤を用いた除草作業も行います。
ほ場に雑草が繁茂すると、栽培している作物に直接・間接に悪影響を及ぼすため適宜除草を行います。
当場では種子生産を行っている為、栽培作物の収穫時に雑草の種子が混入することが無いように生育初期は中耕作業機械を用い、作業機が入れなくなったり、作業機で除草しきれない部分は人力によるホー除草を行っています。
また、除草剤を用いた除草作業も行います。
人力によるホー除草 |
ブームスプレイヤーによる除草剤散布作業 |
シ.薬剤散布
主にトウモロコシ、ソルガムで病害虫が発生しやすく、作物の生育に悪影響を及ぼすため、適宜殺虫剤の散布を行います。
主にトウモロコシ、ソルガムで病害虫が発生しやすく、作物の生育に悪影響を及ぼすため、適宜殺虫剤の散布を行います。
ブームスプレイヤーによる殺虫剤散布作業 |
4.収穫・乾燥
ス.コンバインによる刈取り・脱穀
種子が成熟したら刈取、脱穀を行います。大面積の牧草類、麦類等の収穫には大型コンバインを用い、小面積の牧草類やソルガム、トウモロコシの収穫は主に手刈で行います。
種子が成熟したら刈取、脱穀を行います。大面積の牧草類、麦類等の収穫には大型コンバインを用い、小面積の牧草類やソルガム、トウモロコシの収穫は主に手刈で行います。
オーチャードグラスの収穫 |
シロクローバの収穫 |
ソルガムの手刈り収穫 |
背の高い品種の刈取り |
※ソルガム収穫機の開発・制作
セ.乾燥
収穫直後の種子は水分を多く含むため、乾燥機で水分含量10%以下まで乾燥させます。
なお、乾燥作業の効率化を図るため、
箱形乾燥機の改造
を行いました。
収穫直後の種子は水分を多く含むため、乾燥機で水分含量10%以下まで乾燥させます。
5.精選
種子精選とは、収穫・乾燥後の種子に混入している葉、茎、石などの夾雑物を除去し種子の純度を上げるために行われる作業の事です。風・ふるい・磁力・摩擦力・比重・色彩などを利用した機械でそれらを除去します。
当場では、多草種、他品種の飼料作物種子を精選するため、異種子、異品種の混入防止と品質維持を図るために徹底的に精選機の清掃を行っています。また、秤量の際には袋毎に種苗の生産番号を記した票せんを取付け、在庫管理を行っています。
ここでは、イネ科牧草・マメ科牧草・トウモロコシの当場精選体系を紹介します。
当場では、多草種、他品種の飼料作物種子を精選するため、異種子、異品種の混入防止と品質維持を図るために徹底的に精選機の清掃を行っています。また、秤量の際には袋毎に種苗の生産番号を記した票せんを取付け、在庫管理を行っています。
ここでは、イネ科牧草・マメ科牧草・トウモロコシの当場精選体系を紹介します。
イネ科牧草の流れ
1.乾燥した種子をホッパーに移します |
2.デビアダーで芒を取り、精選効率を良くするとともに種子の品質を高めます。 |
3.アスピレーターで風により粉塵を除去します。 |
4.エアアンドスクリーンセパレーターで3段のふるいと風を利用し、形状・大きさ・重量で選別します |
5.直径・比重が似ていて取り除けない異物・異種子・他作物種子をディスクセパレーターで長さの差により分離します |
6.サーキットファン(密閉式風力選別機)で、種子重量による分離を行います。 |
7.秤量・袋詰め後、種子格納庫へ |
マメ科牧草の流れと精選機械
1.もみすり機で種子とさやを分離 |
2.粗めのふるいで茎葉など大きなゴミを取り除きます |
3.唐箕で風を使ったゴミ・粉塵取り |
4.マグネットセパレーターは、磁石を用いて磁力を帯びた砂・土を除去します※写真をクリックすると選別された種子の写真を見られます。 | 精選後種子1 [PNGファイル:1.0MB] |
5.細かいふるいで形状・大きさによる選別 |
6.自動唐箕またはイネ科で用いたサーキットファンで風を利用し、細かなゴミや小さな種子を取り除きます |
7.ベルベットロールミルで種子表面の滑らかさを利用して付着する物としない物を選別します |
8.シードブロアー(吸引式風力選別機)で粉塵と軽量物を取り除きます |
9.バイブレーションセパレーターは、傾斜と振動を利用し、種子表面の状態によって選別します |
10.簡易比重選別機は、種子の比重差によって選別する簡易な方法です。※写真をクリックすると選別された種子の写真を見られます。 | 精選後種子2 [PNGファイル:780.8KB] |
11.カラーセパレーターは、種子の色によって選別します。※写真をクリックすると選別された種子の写真を見られます。 | 精選後種子3 [PNGファイル:949.5KB] |
12.秤量・袋詰め後、種子格納庫へ |
トウモロコシの流れ
1.コーンセーラーで芯から種を外します |
2.スカルパレーターで粗めにふるって風でゴミを取り除きます |
3.アスピレーターで粉塵を除去します |
4.シードグレーダーの中にはシリンダーが入っていて種子の厚みや幅で選別します |
5-1シードグレーダーで種子の幅や厚みで分けられた種子 |
5-2 |
5-3 |
6.袋詰め後、種子格納庫へ |