シバ種子の収穫をご紹介します
最終更新日 2017/03/30

私たち家畜改良センター長野牧場では、優良な飼料作物品種の種子の増殖を行っており、現在は、イネ科牧草(イタリアンライグラスなど)やマメ科牧草(シロクローバなど)の種子の増殖を行っています。
このうちのイネ科牧草の収穫については、1品種につき2ha規模(東京ドームの面積の約半分)の作付で毎年7~8品種を大型コンバインで6~7月頃に収穫しています。しかし、牧草の種子の収穫はこれだけではありません。
今回は、一風変わった「芝(しば)」の種子の収穫をご紹介します。
緑化用としてもおなじみの芝(ノシバ)は、飼料作物としては再生力が強く年間を通して生産量が安定しているなど、優れた特性を持っているため放牧に利用されています。芝は背丈が低く、種子が茎から離れにくいことから、通常のコンバインによる刈取りでは十分な収量が得られません。そこで、ブラシで種子をしごき取る専用の収穫機を作製し使用しています。
今年は春先以降の天候が安定しなかったため、花が咲く時期、種子が実る時期が例年に比べてやや遅く、また、収穫適期には晴れ間が続かなかったため収穫のタイミングの見極めに苦労しましたが、わずかな晴れ間を縫って集中的に収穫を行い無事収穫を終えることができました。

~今年収穫を行った芝のご紹介~
品種名:たねぞう(日本草地畜産種子協会の飼料作物研究所で育成された新品種)
特徴 1:葉が大きく、再生力が強いため放牧地で利用できる。
特徴 2:種子が多く採れるため種子の形で流通させられる。(従来の日本芝は種子の価格も高く、発芽率があまり高くないため種子で流通させるのが難しい。)

イネ科牧草の収穫に使用している大型コンバイン

芝の種子の収穫に使用している専用の収穫機

収穫前、後の芝の種子。専用の収穫機を用い、取りこぼしなく収穫します。

乾燥中の様子。通風乾燥を1~2週間続け、乾燥終了後は茎などの選別作業を行います。