独立行政法人
家畜改良センター新冠牧場

家畜改良の推進、優良な種畜や飼料作物種苗の生産・供給等を通じて、
我が国の畜産の発展と国民の豊かな食生活に貢献することを使命としています。

Q&A

最終更新日 2017/10/06

日本の乳用牛の能力は世界的にはどれくらいの水準にありますか?

世界有数の水準にあります。
平成15年8月から我が国もインターブル(INTERBULL:スウェーデンに本部をおく国際評価機関)の種雄牛国際評価に参加しましたので、年4回種雄牛の遺伝能力評価値の国際間比較ができるようになりました。

その結果をみますと、我が国の種雄牛の遺伝的能力は着実に向上しており、その平均値はNTP(総合指数)だけでなく乳量や乳蛋白質量といった重要な経済形質においても、すでにアメリカやカナダ、オランダを上回る水準となっております。

また、日本とアメリカの精液供給可能種雄牛について見ても、 NTP の平均値は日本の種雄牛の方がはるかに高い水準にあります。能力階層別分布についても、日本の牛が高いレベルの階層により高い割合で分布する結果となっています。
<参考資料>「乳用牛種雄牛評価成績」

なぜ日本独自で乳用牛を改良する必要があるのですか?

日本の飼養環境に適した生産性の高い乳用牛をつくり、酪農の生産性を高める一方、遺伝子資源の海外への従属を防ぐためです。
学術的に、表に現れる乳用牛の能力のうち2/3程度は「環境の効果(飼養管理等の影響)等」によるものと言われています。したがって能力を厳密に比較する場合、どこで能力検定を実施したのかによって環境の効果を受けて異なった結果が出てしまいます。このために、酪農先進国ではすべて、自分の国において乳用牛の能力検定を実施し、優秀な雌牛の選抜、優良種雄牛の供用という形で育種改良を進めています。

一方WTOやFTA交渉が進む等国際化が進展していく中で、国民に安全で安心な牛乳・乳製品を安定的に供給していくためには、我が国酪農が国際競争力を維持・向上させていかなくてはなりません。酪農経営における生産財である”乳用牛”の能力は、工場経営で言えば製作機械の性能に相当し、国際競争の中で勝ち残っていくためには、少しでも生産性の高いものに向上していく努力は欠かせません。

このため、意欲のある経営者は、酪農先進国の酪農家と同様に、牛群検定という雌牛の能力を月に1回ずつ点検する方法を用いて、より経営に貢献する雌牛を選抜し、我が国の中で厳密に能力比較された種雄牛を選んで供用しています。

「遺伝子戦略」という言葉をご存知だと思います。例えば我が国ではトウモロコシのほとんどの種子については毎年多額の資金を使って海外から購入してやっと国内で栽培されています。このように、高能力の遺伝子資源は「戦略物資」であり、「国の宝」であり、海外に持ち出すことなく、保有国が優先的に利用できるように仕組まれていきます。かたや持たない国は、育種改良において保有国とは従属的な関係に陥り、継続的に資金の海外流出が求められるようになります。

そのために、我が国おいても、生産者、関係団体、行政機関等が連携を図りながら、酪農の生産性を高め国際競争力を向上させ、遺伝子資源の確保を図るために、地道に乳用牛の改良を進めています。

優良な雌牛を貸し付けてくれると聞きましたが?

そのとおりです。ただし条件があります。
当場においては繋養牛の貸付制度があります。当場の育種プログラムにおいて、供卵牛(ドナー牛)に選定されなかったものうち、遺伝的能力(NTPの値上位1/2 )の優れたものの中から表型能力 (実際の乳量、乳成分)及び体型の優良なものについて貸付を行っています。

ただし、常に貸付牛の能力を把握する等貸付制度の目的を達成するため、貸付対象となる生産者については、検定組合等に加入し牛群検定に確実に加入していることに加えて、当場職員が定期的に飼養管理の指導監督、能力検定等の諸調査を行い得る地域において経営を営んでいることを条件としております。

平成16年度前半までの今年度の貸付実績は6頭(累計35頭)です。それらは平均NTP1,239、初産能力(305日間乳量10,506kg乳脂率3.9%)、初産体型得点 80.8点、乳器得点81.5点です。また、2産目記録のあるものが2頭存在して、 305日間乳量12,983kg、乳脂率3.5%、体型得点85.5点、乳器得点86.5点の記録を残しています。

冠名の付け方について教えてください?

五種類の冠名があります。
現在は、繁殖者別に NLBC・ミソノ・JHG・WHG・L の5種類を使用しています。

「NLBC」は家畜改良センターが繁殖者である場合の雄牛
「ミソノ」は家畜改良センターが繁殖者である当場産の雌牛
「JHG (Japan Holstein Gene)」は国内購買受精卵により生産された牛
「WHG (World Holstein Gene)」は海外購買受精卵により生産された牛
「L(LEASE)」は優良育種資源確保対策事業によって国内外から導入された受精卵によって生産された牛

の場合に使用しています。

繋養しているファミリー数はどのくらいありますか?

100系統以上になります。
国内外の高能力ファミリーを100系統以上繋養し、泌乳能力等の厳密な比較検定を行なっています。
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