独立行政法人
家畜改良センター岡崎牧場

家畜改良の推進、優良な種畜や飼料作物種苗の生産・供給等を通じて、
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鶏卵輸送箱を利用した22~28日貯卵のふ化成績


鶏卵輸送箱を利用した22~28日貯卵のふ化成績

〇榛澤章三、大谷智幸、佐々木俊雄、宇野覚、宮田透

  • 目的
    鶏の種卵を長期保存する場合は、高湿度条件で冷風を種卵に直接当てないことが重要である。そのため、種卵をプラスチック袋で密封する方法などが試みられているが、種卵個数が大量になると活用しにくい。また、長期貯卵の場合は、種卵の鋭端部を上にすると良いとされるが、入卵前に鋭端部を下に戻すのは非常に煩雑な作業となる。そこで本実験では、種卵の長期保存の実用化を目指し、鶏卵輸送箱を利用した方法によって、貯卵温度と種卵の向きが長期貯卵のふ化成績に及ぼす影響を調査した。
  • 方法
    供試卵は、WL雌500羽に人工授精を行い採取し、逆性石鹸で浸漬消毒した後、試験区ごとにランダムに振り分けた(各区1日当たり140個平均)。試験区は、温度11℃湿度86%で種卵の鋭端部を上にして保存したもの(1区)と、温度15℃湿度86%で鋭端部を上にして保存したもの(2区)、及び温度15℃湿度86%で鋭端部を下にして保存したもの(3区)とした。1区と2区は、紙製の鶏卵輸送箱に鋭端部を下にして詰め、ガムテープで密封したのち箱ごと逆さにして貯卵した。貯卵期間は22~28日間で3回の発生を行った。検卵はふ卵10日目に検卵器による透光検査で行い、ふ卵開始後22日目に発生ひなを取り出した。
  • 結果 期間平均の対入ふ化率は1区から順に、66.6%、37.8%、29.4%、対受ふ化率では、72.7%、40.2%、31.4%で1区が最も優れ (P<.01)、実用化への可能性が示された。受精率(無精卵には貯卵中の死亡を含む)は、ふ化率とは逆に1区が低く2区との差は有意であった(P<.05)。中止率は1区が他区より有意に低く、2区と3区では顕著な差は見られなかった。以上から、貯卵温度を低めに設定することは、貯卵中の死亡を若干増加させるが、ふ卵前期の死亡を抑える効果があり、鋭端部を上にする貯卵法は、主にふ卵後期の死亡を抑える効果があると考えられた。
  • 表:ふ化成績結果
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