卵用鶏の育種改良体制(系統造成と増殖)
スーパーなどの店頭で売られている卵を産んでいるのは、コマーシャル(CM)鶏と言われる鶏です。このCM鶏が、養鶏場で毎日のように卵を産み、その卵が出荷されていくわけですが、「卵黄や卵白の盛り上がった卵が欲しい」、「もっと多く卵を産む鶏が欲しい」といったような色々な要望が、卵を買った人(消費者)や鶏を飼っている人(生産者)から出てきます。

このような要望に応えるCM鶏を作り出すために、ブリーダー(育種場)は色々と優れた特徴を持った系統を保有し、その特徴をより伸ばすための改良を行ってきています。岡崎牧場は、我が国で唯一の卵用鶏改良を行う公的機関です。

CM鶏はブリーダーが保有する優れた特徴を持った系統の組合せによってできています。これは、組合せにより、両親の平均値よりも良い成績が出るという雑種強勢(ヘテローシス)を利用しているからです。このようなことから、ブリーダーの保有する系統の成績が優秀であることが基本であり、次いで、それら系統の組合せによりヘテローシスがよりうまく働いたものがCM鶏として用いられます。その優劣によって近代養鶏30年の優劣が決せられてきました。つまり、系統造成は育種改良にとって最も重要な作業です。
(注1)
ブリーダー段階では系統内に異変があるため、
CM鶏の能力への反映状況を見ながら適切な部分を原種鶏(GP)生産に振り向ける。

(注2)
GP以降は、変異がないと想定し無作為交配を行う。
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