平成21年度交流促進会及び第2回研究講座の概要
中部日本養鶏研究会(会長:独立行政法人家畜改良センター岡崎牧場長、米田勝紀)は、平成22年3月12日、愛知県岡崎市内で交流促進会と研究講座を開催し、50名近くの養鶏関係者が参集しました。

冒頭の挨拶で米田会長は、
「最近、中央では事業仕分けの関係で各省庁ともバタバタしているような状況である。4月下旬から5月にかけて非常に厳しい議論がなされ、養鶏関係もおそらく、避けては通れないと思っている。今後、皆様方のご意見等をお聞きする場面があるかも知れないがその際はご協力をお願いする。
中部日本養鶏研究会では、その時々のトピックスについて講演会を開催してきており、引き続き精錬された有益な会にしていきたいと思っている。今後とも皆様方のご支援をお願いする。」と述べました。

午前の交流促進会では、東海4県の取組や研究成果の報告があり、午後の研究講座では、農林水産省東海農政局の釘田博文次長が「新しい農政の基本方向と畜産をめぐる情勢」について、また麻布大学・大学院の田中智夫教授が「アニマルウェルフェアの現状について特に養鶏における考え方と今後の対応」についてご講演をいただき、活発な質疑応答が行われ今回も盛会のうちに幕を閉じました。
交流促進会(10:3012:00
  1. 産卵後期における卵殻改善対策の検討
    池谷守司氏(静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター)
  2. アンモニアリサイクラ装置の脱臭効果について
    浅野智宏氏(岐阜県畜産研究所養鶏研究部)
  3. 生菌剤を用いた名古屋種の無投薬飼育技術
    美濃口直和氏(愛知県農業総合試験場畜産研究部家きんグループ)
  4. 飼料用米給与による鶏卵肉生産と三重県内の実証事例
    佐々木健二氏(三重県畜産研究所中小家畜研究課)
  5. 鶏凍結精液技術を用いた遺伝資源の保存について
    新實竜也氏(家畜改良センター岡崎牧場)
研究講座(13:2016:30
 新しい農政の基本方向と畜産をめぐる情勢
 
釘田博文次長
(農林水産省東海農政局)
食料・農業・農村基本計画、平成23年度から本格実施される戸別所得補償制度や食料自給率の引き上げ等、最新の情報について幅広くご講演いただき、「食料自給率を引き上げるためには、国産飼料の生産・利用拡大が重要。飼料用米や稲WCS等の生産や利用については課題がまだまだ多いが、これらの生産量を増やしていく努力が必要。現在は、畜産農家と水田農家の関係が薄れてきており、耕畜連携をはかるため、県や農業団体と協力して、農家のマッチングに力を入れたい。」と述べられました。
 アニマルウェルフェアの現状について 特に養鶏における考え方と今後の対応
 
田中智夫教授
(麻布大学・大学院)
世界のアニマルウェルフェアの現状について、アニマルウェルフェアに対する消費者の意見や、国による認識の違いなどについて詳しくお聞きすることが出来ました。今後におけるアニマルウェルフェアの対応は、「生産性を損なわず、既存のシステム等を活用した日本の実状にあったものを考えていく必要がある。」と述べられました。
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