平成28年度研究講座の概要
中部日本養鶏研究会(会長:独立行政法人家畜改良センター岡崎牧場長 山本洋一)は、平成28年10月28日、愛知県岡崎市内で研究講座を開催し、約30名の養鶏関係者が出席しました。

開催挨拶で山本会長は、「ここ最近は、鶏肉・鶏卵価格ともに比較的高い水準で推移している。一方で、今後は、TPP、国際化の進展を踏まえ、輸入品に対抗できるような生産コストの低減、差別化の取組が必要になる。また、これから、渡り鳥が飛来する季節になり、気を引き締めなければならない。本日は、養鶏におけるアニマルウェルフェアの海外動向と採卵養鶏の6次産業化について講演していただくが、共に時機を得た皆様の関心が高い内容と考えている。アニマルウェルフェアについては、今後、OIEの採卵鶏のガイドラインが検討される予定であり、ISOの技術仕様書の策定作業も進められると聞いている。欧米では、既にアニマルウェルフェアの考えを取り入れたフリーダムフード、ベターレード等の認証制度も作られ、差別化商品として、逆に銘柄鶏の多様化も進んでいる。国際化の進展への対応は大変だが、後戻りはできない状況。本日の2題の講演が、今後の経営戦略の参考になるように願っている。」と述べました。

研究講座では、帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科の佐藤衆介教授に「養鶏におけるアニマルウェルフェア(AW)の海外動向」について、有限会社鈴木養鶏場の鈴木明久代表取締役会長に「採卵養鶏の6次産業化に向けて」についてご講演いただきました。
会長挨拶と研究講座開催中の様子
佐藤教授のご講演中の様子
東京オリンピック開催に向けての食料調達としてアニマルウェルフェア対応が話題になっていることや、OIEでの合意内容とガイドラインの概要及びISO認証、EUや米国の対応状況等ついて網羅的・包括的にご説明していただきました。
鈴木会長のご講演中の様子
地域に根差した6次産業化に取り組みながら、収益を最大化するために行っている経営努力や、差別化商品を製造するためのツールとして、飼料用米を利用し、エンリッチドケージでの飼育等を進めている点についてご説明していただきました。
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