独立行政法人
家畜改良センター

家畜改良の推進、優良な種畜や飼料作物種苗の生産・供給等を通じて、
我が国の畜産の発展と国民の豊かな食生活に貢献することを使命としています

調査研究

食味に関与する評価指標と育種改良への利用

最終更新日 2017/05/25

近年、食肉において、消費者における健康志向の高まり、安全性や品質、おいしさ等へのニーズの多様化がみられています。そのような中、平成27年に策定された家畜改良増殖目標では、消費者ニーズに応じた肉質の改良を進めるため、「おいしさ」の指標化へ向けた取り組みが求められています。

これまでの調査研究において、食味に影響すると考えられる項目(粗脂肪含量、脂肪酸組成等)を示してきましたが、「食卓(消費者)」の多様なニーズに応えることのできる特色のある畜産物の生産のため、育種改良に利用できる食味の指標を継続して調査することが重要であると考えられます。

そのため、現在、以下のような調査研究に取り組んでいます。

牛肉

黒毛和種は、その特長である脂肪交雑の多い牛肉の生産に重点が置かれてきました。しかし、過度の脂肪交雑重視は、種雄牛の供用の集中とそれに伴う近交係数の上昇、飼料穀物の高騰、消費者ニーズの多様化等の点から問題であり、新たな食味評価の指標が求められています。

このため、脂肪交雑のほか脂肪中に含まれるオレイン酸等の脂肪酸、肉のアミノ酸、香り成分等幅広い分析を実施し、これらの成分と消費者の評価との関係性を調査することにより、牛肉の「美味しさ」に関する新たな評価指標を検討しています。

また、国産畜産物の戦略的な輸出拡大が求められていることから、外国人を対象に和牛肉の嗜好性調査を実施し、輸出拡大に寄与する情報の収集を行っています。

豚肉

近年、豚肉は消費者ニーズの多様化、国産豚肉と輸入豚肉の差別化等に対応するため、美味しさに関する指標の検討が求められています。これまで豚肉(デュロック種)のやわらかさ及び多汁性(ジューシーさ)に対する理化学分析項目の関与を提示し、消費者の好む水準を示してきました。

今後も脂肪交雑の他、脂肪中に含まれる脂肪酸、肉のアミノ酸等幅広い分析を実施し、これらの成分と消費者の評価との関係性を調査することで、豚肉の「美味しさ」に関する新たな評価指標を検討していきます。

また現在、家畜改良センター茨城牧場及び宮崎牧場では、純粋豚の繁殖性及び発育性について育種改良を行っており、これらの選抜に伴う肉質への影響を明らかにしていきます。

鶏肉

国内において、多くの地鶏・銘柄鶏が流通し、消費者の多様なニーズに対応した食肉生産と消費の増大に向けた取り組みが行われています。

このような中、地鶏・銘柄鶏生産に適した育種が必要なことから、異なる品種系統の鶏肉について核酸関連物質等の理化学分析や、人を用いた食味についての客観的評価を行い、地鶏・銘柄鶏に求められている特性を明確にし、育種への応用について検討しています。

※核酸関連物質:生体内のエネルギー通貨と呼ばれるATPが分解して生成されるイノシン酸などの物質
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