独立行政法人
家畜改良センター

家畜改良の推進、優良な種畜や飼料作物種苗の生産・供給等を通じて、
我が国の畜産の発展と国民の豊かな食生活に貢献することを使命としています

飼料作物

飼料作物の主な草種と特徴

最終更新日 2017/05/25

一般栽培用としての配布は行っておりませんので、通常の飼料生産用として種子を購入される場合には、地元の種子販売会社等へお問い合わせください。

イネ科牧草

草種名 年生 主要栽培地 特徴
寒地 温暖地
イタリアンライグラス 一年生 東北から九州までの広範囲に栽培され、初期成育が早いため、早春(品種によっては年内)に高い収量があげられます。夏作のとうもろこしと組み合わせて栽培される冬作飼料作物の代表的な品種です。また、水田の裏作としても利用されます。
オーチャードグラス 多年生 耐寒性が強く比較的耐暑性もありますが、温暖地・暖地では夏枯れ等から永続性が低下しやすい面があります。採草及び放牧の両方に利用されています。日本では、北海道から九州の中標高地に至る広範囲に栽培されています。
ギニアグラス 一年生・多年生 アフリカ原産の暖地型牧草で、関東以西で夏期の気温が高い地域での栽培に適し、夏期の高温下で旺盛な生育を示し、収量が高い特性があります。青刈、乾草、サイレージ等に適しています。沖縄以外では一年生牧草として栽培されています。線虫忌避効果があるため、野菜栽培での緑肥用としても利用されています。
シバ 多年生 暖地型牧草の中では最も耐寒性が強い草種に属し、亜熱帯~温帯~一部冷帯に適応しています。地上茎、地下茎で拡がる短草型の草種で、古くから馬や牛の放牧に利用されています。休眠性が強いため冬期間は利用できませんが、越冬性があるので一部北海道でも利用可能です。
スムーズブロムグラス 多年生 耐寒性が強く、湿潤冷涼な気候に適します。ほふく茎を持ち、深根性のため極めて耐旱性に優れることから、チモシーに比べ耐旱性、耐暑性に優り、オーチャードグラスに比べ越冬性に優れます。このため、北海道の夏季乾燥地帯に適します。
チモシー 多年生 イネ科牧草の中では耐寒性が最も強い草種に属します。北海道や東北の高冷地で栽培され、主に採草用として利用されています。収量性が高く、嗜好性に優れていますが、高温と乾燥に弱いため、夏枯れ等で永続性が低下しやすい面があります。
トールフェスク 多年生 主要な寒地型牧草の中では土壌や気象適応性が高く、耐暑性に優れているため夏枯れが発生し易い暖地・温暖地の草地で栽培されています。その反面嗜好性はやや劣ります。なお、牧草の他に土壌保全用ならびに緑化用としても利用されています。
ハイブリッドライグラス 多年生 イタリアンライグラスとペレニアルライグラスの交雑種です。イタリアンライグラスの旺盛な初期生育、春季の優れた草勢、嗜好性、栄養価の高さなどの特性と、ペレニアルライグラスの永続性、越夏性、越冬性の良さをあわせもっています。主に飼料畑や混播草地での採草用として本州以南の高冷地、準高冷地で利用可能です。
バヒアグラス 多年生 暖地型牧草の中では耐寒性が強い草種に属し、西南暖地の低標高地帯で放牧用として利用されています。ほふく型で、太い地上茎あるいは地下茎で拡がり、再生力、永続性に優れています。
フェストロリウム 多年生 Festuca属(フェスク類)とLolium属(ライグラス類)との雑種です。
フェスク類のもつ優れた環境耐性とライグラス類のもつ優れた収量性、再生力および消化性の良さをあわせもっています。主に耕作放棄地・転作田、飼料畑での採草利用として、北東北の中標高から関東東山地域の中高標高地に適します。
ペレニアルライグラス 多年生 冷涼温和な気候と肥沃な土壌を好み、極端な乾燥や排水不良な土壌には適していません。分けつ力が高く、再生力・家畜の嗜好性及び消化率にも優れています。主に放牧用として広く利用されています。
メドウフェスク 多年生 トールフェスクに類似していますが、トールフェスクよりは全般的に小形です。再生力が高く、放牧に適しています。栽培適地はチモシーと同じで、暖地には適していません。
ローズグラス 一年生・多年生 主な栽培地は九州・沖縄等の西南暖地ですが、北陸・関東地方でも栽培されています。沖縄以外では一年生牧草として利用されています。耐旱性・耐塩性に優れています。

マメ科牧草

草種名 年生 主要栽培地 特徴
寒地 温暖地
アカクローバ 多年生 アカツメクサとも呼ばれています。耐寒性があり、タンパク質やミネラルの含有量が高く、チモシーやオーチャードグラス等の寒地型イネ科牧草と混播して採草利用されています。
アルファルファ 多年生 タンパク質やミネラルの含有率が高く、寒地型イネ科牧草との混播または単播として利用されています。耐寒性に優れていますが耐湿性は弱く、アルカリ性から中性の土壌に適し、我が国では北海道から九州まで広く栽培されています。
シロクローバ 多年生 シロツメクサとも呼ばれています。タンパク質やミネラルの含有率が高く、イネ科牧草と混播で利用されています。一般的に葉の大きさによってラジノ型(大葉型)、コモン型(中葉型)、ワイルド型(小葉型)の3群に大別されています。

青刈り類

草種名 年生 主要栽培地 特徴
寒地 温暖地
エンバク 一年生 冷涼な気候で比較的湿潤な土壌に適しています。一般的に、寒冷地では春播き栽培、暖地では秋播き栽培されますが、中国や九州地方では初秋播きでの年内収穫も行われています。
ソルガム 一年生 茎葉の形はトウモロコシに似ており、草丈は品種によっては3m以上伸びます。我が国での栽培は温暖地、暖地で多く、これらの地域では2~3回刈りができます。我が国で利用されているソルガム類には、ホールクロップ利用される子実型及び兼用型、青刈り・サイレージ利用されるソルゴー型、乾草・青刈り・サイレージ利用されるスーダン型およびスーダングラスがあります。
トウモロコシ 一年生 栄養価(TDN)が高く乾物収量も多収です。また、熱帯から寒冷地までに適応し、我が国でも北海道から九州まで広く栽培されています。現在は耐倒伏性の強いF1品種が普及しており、大部分はホールクロップサイレージとして栽培・利用されています。
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