優良な特性を持つ新しい品種の種子(育種家種子)はわずかな量であり、農家段階で広く利用されるための種子の量を確保するには、これを何倍にも増殖する必要がありますが、一回の増殖で得られる種子の量は限られているため、数回(数世代)にわたって増殖することとなります。
日本では、飼料作物の多くが開花・結実期である5~7月に梅雨と重なること、種子生産に必要な広大な用地の国内での確保が困難であることなどから、最終世代(保証種子)は海外において生産しています。
ただし、この種子増殖の過程においては、他品種との受粉や気候条件等の影響により、その品種が持つ優良な特性に変化を生じなさせない事が重要となります。このため、最終世代である保証種子を生産するためのもと種子(原種子)までを国内で増殖し、海外にて何世代もの増殖を繰り返すことによる特性の変化を防いでいます。