肉牛のジーンバンク
最終更新日 2017/02/03

肉牛の遺伝資源の保存を行っています。
十勝牧場では、アバディーンアンガス種、ヘレフォード種、マレーグレー種、褐毛和種、日本短角種の凍結精液による保存を行っています

アバディーンアンガス種 Aberdeen Angus

イギリスのスコットランド原産であり、無角の在来牛から由来したといわれている。
毛色は黒色で完全無角、体型は体幅および体深に富み、丸みをおびた典型的な肉用型である。早熟、早肥で肉質は外国品種のうちで最も優れているとみられ、脂肪交雑のよく入る品種とされている。

ヘレフォード種 Hereford

イギリスのヘレフォード州原産であり、在来牛、隣接するウェールズ地方の大型白色牛、オランダ牛、ヨークシャーの白面牛などの交雑によって成立したものとみられている。
毛色は主として赤褐色であるがかなり濃淡がある。額面が白色である。体型は典型的な肉用型の長方形を示す。肉用種としては大型であり、産肉能力は早熟、早肥であり、枝肉歩留りも高く、脂肪交雑も比較的入りやすい。

マレーグレー種 Murray Grey

オーストラリア原産で、アバディーンアンガス種の雄と地元の白単色ショートホーン種の雌との間に突然変異で生まれた「灰色の娘」と呼ばれた雌牛が本種の起源である。
毛色は淡灰褐色を呈し、四肢が比較的短く、無角であり、肉付きの良い小型の品種である。分娩が容易で、産肉性および肉質が良く、母性形質(泌乳能力、母性行動など)においても優れているため、放牧繁殖による低コスト生産に適している。

褐毛和種(熊本系)Japanese Brown(Kumamoto)

褐毛和種(熊本系)は主産地の熊本県をはじめ、静岡県、宮城県、秋田県、北海道などに分布している肉用種。明治時代に熊本県下に飼われてきた和牛に、デボンの雄が交雑され、さらにシンメンタールの雄に切り替えて交雑が進められた牛の中から選抜して基礎が固められた。
体格は黒毛和種や褐毛和種(高知系)よりも大型のものを標準とし、性質は温順、毛色は黄褐色ないしは赤褐色である。他の和牛品種に比べて増体量の大きいことが特徴である。

日本短角種 Japanese Shorthorn

岩手県、青森県の在来の南部牛にショートホーンを交雑した牛が基礎となっている。
体格は和牛の中では大型であり、毛色は濃淡様々の褐色で体下部に白斑のあるものも多い。産肉能力は早熟、早肥で増体量が優れているが、枝肉歩留り、肉質、脂肪交雑の点では黒毛和種より劣るとされている。しかし、粗飼料の利用性に富み、野草を菜食する能力に優れ、山地放牧に適している