独立行政法人
家畜改良センター鳥取牧場

家畜改良の推進、優良な種畜や飼料作物種苗の生産・供給等を通じて、
我が国の畜産の発展と国民の豊かな食生活に貢献することを使命としています。

黒毛和種の一卵性双子の話(12回目)

3-a-2.繁殖に関する試験<2>

 一卵性双子を用いた繁殖に関する興味ある試験があります。
雌の一卵性双子4組を用いて、双子の一方を肥育し、もう一方を繁殖牛として飼養しました。
当然の事ながら肥育する方は繁殖牛とした方よりかなり多くの餌を食べ続けることになり、両者の飼養環境は全く別のものになります。

 10数ケ月齢頃から肥育牛とした方も繁殖牛とした方も同じように1-b-3で述べたようなOPUを週1回の割で継続的に行い、採取した未受精卵は体外受精を行いました。

 試験前の予想は大量の餌を食べる肥育牛の方が採取できる卵子数が少なく、卵子の質も悪く、従って体外受精の成績は劣るだろうと考えていました。

 ところが結果は、OPUで採取される未受精卵数も体外受精の成績も同一の双子組内ではあまり変わりませんでした。

 その一方、双子組間では差がみられるものがあるという意外なものでした(10)。

 シャ-レで培養される卵の質にまで遺伝的影響があるのでしょうか。次回からは肥育について考えます。


(鳥取牧場業務課 小西一之)
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