優良雌牛紹介 第2回
 第2回 「みつやす1の1」号の息牛①「光平照」
母「みつやす1の1」は交配計画作成当時は産肉能力がまだ不明でしたが、血統は非常に良かったことから供卵牛として受精卵を回収することにしました。
掛け合わせた種雄牛は当時脂肪交雑で高い能力を発揮していた「安平照」です。
母の能力が未知数だったこともあり、分割卵クローン検定を視野に入れ、回収された受精卵を分割して移植しました(下図参照)。
「光平照」は平成16年3月10日の午後5時30分に鳥取牧場で生まれました。
在胎日数は289日と双子にしてはやや長めでしたが(一卵性双子は在胎日数が約7日程度短くなる傾向があります)、黒毛和種の受胚牛から一卵性双子として生まれたためか、生時体重は25kgと25.5kgとやや小ぶりでした。
その後は順調に発育し、約5ヶ月齢の時に、双子の一方(光平照)が候補種雄牛に選ばれ、直接検定を実施し、もう一方が肥育牛となり肥育を開始しました。
肥育牛の方は市販の肥育用配合飼料を用いて26ヶ月齢まで肥育した結果、BMS11、ロース芯面積61cm2、枝肉重量388.9kgと非常に良好な成績でした。
その後「光平照」はLIAJの18年現場後代検定にエントリーし、良好な成績が得られました。このことは、分割卵クローン検定を裏付けるものになったのではないかと考えており、今後フィールドでの活躍が期待されます。
 「光平照」の現場後代検定成績
枝肉重量 ロース芯面積 バラの厚さ 皮下脂肪厚 歩留基準値 BMSNo.
438kg 63㎠ 7.8㎝ 2.6㎝ 74.9% 7.9
なお、「光平照」の血統上の母「みつやす1の1」も一卵性双子ですので、親子共々双子という珍しい事例です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「光平照」(28ヶ月齢)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「光平照」分割双子の枝肉画像