従来の放牧地は、有刺鉄線や鉄製の支柱などで周囲や放牧の範囲を区切っていましたが、このような方法は牧柵の設置作業に非常に手間がかかるため、短期間の放牧には不向きでした。
電気牧柵での放牧
~電気牧柵での放牧~
従来の牧柵 |
電気牧柵 |
しかし、最近になって広く普及している電気牧柵は、従来の牧柵と異なり少人数でも(一人でも)簡単に設置・移動ができるため、放牧の省力化、土地の有効利用に効果があるとされており、鳥取牧場でも一部で電気牧柵を導入しています。
電気牧柵に必要な機材
電気牧柵は主に「電牧器」、「電牧線」、「電牧柱」から成っています。
鳥取牧場での電気牧柵の設置
鳥取牧場での電気牧柵の設置
電牧器(バッテリー保護のため、プラスチック容器に入れています) |
電牧線(電線入りポリワイヤー) |
電牧柱 |
電牧器:電気を発生させる装置です。ソーラーパネルから電源を取るものや、
バッテリーから電源をとるものなどがあります。
鳥取牧場ではバッテリーから電源を取っています。
電牧線:この線を伝わって電気が流れていきます。人間が触れると、静電気よりも大きな
衝撃が伝わってきて思わず手を引っ込めるほどの強さです。
電牧柱:絶縁体の部分に電牧線を通して、電牧線を支えます。足で踏み込んで地中に
打ち込めるようになっています。
電気牧柵でのメリット
①少人数でも牧柵設置が可能になるため、低コストおよび省力化につながり、耕作放棄地の解消につながります。
②電牧線で囲うだけで放牧地にできるので、これまで放牧地として使用できなかった土地を放牧地として使用できます。
③放牧地を一時的に区切ることができるため、牛に全体が踏み荒らされるのを防ぎ、効率良く牧草を採食させることができます。
②電牧線で囲うだけで放牧地にできるので、これまで放牧地として使用できなかった土地を放牧地として使用できます。
③放牧地を一時的に区切ることができるため、牛に全体が踏み荒らされるのを防ぎ、効率良く牧草を採食させることができます。
電気牧柵で区切ると、牛は区切られた範囲内の牧草を食べていきます。
(左)放牧して間もない放牧地 (右)四日間放牧した放牧地