家畜改良センターについて

理事長からのメッセージ

 
 
 家畜改良センターの使命(ミッション)は「我が国の畜産の発展と国民の豊かな食生活に貢献する」ことです。当センターは北海道から九州まで全国12カ所に本所ならびに牧支場があり、畜産物の基となる種畜(乳牛、肉牛、豚、鶏、羊、山羊、馬)や種苗(寒地型~暖地型飼料作物)を生産、改良し、都道府県や各種畜産団体などに供給しています。さらに、畜産に関する最新実践技術や統計値、牛の個体識別情報などを提供しています。また、国内外からの研修生を対象とした畜産技術研修を行い、全国的な種畜や種苗の検査を法律に基づいて実施し、家畜伝染性疾病や自然災害の発生時には、畜産に関する物的、人的支援も行っています。和牛をはじめ、わが国の畜産物は特色があり、不安定さが増している国際的な食料事情の中、わが国畜産の発展を通じ、皆さんの食生活を支えています。
理事長  入江 正和  

わかりやすい改良例でいうと、私の学生時代に比べ、1頭の乳牛が今は倍近い乳量を出すまでになり、和牛は世界に冠たる見事な霜降り牛肉を効率的に産出するまでに発展しました。その背景には地道で継続的な努力があり、現在の中長期の目標(ビジョン)も「センター発の種畜、種苗、技術、情報で、わが国の家畜改良の総本山に!」としています。

生き物好きが一般的な職員像であり、「公的役割を理解し、連携して、新たな価値ある畜産手法を創る」ことが職員の行動指針(バリュー)です。民間や地域ではできないような改良を、チームワークを重視し、各部署、各牧場、さらには大学や研究機関、都道府県、畜産団体といった他機関とも連携しながら、業務を推進しています。

当センターでは従来の飼養管理技術、栽培技術に加え、受精卵移植、胚の凍結保存などのバイオテクノロジー、育種評価のための高速コンピュータによるモデル解析やDNA解析といったゲノム技術、ロボット搾乳、光学的手法による肉質評価技術などのスマート農業技術は得意とするテクノロジーで、所内で実践するだけでなく、実産業へも普及させ貢献しています。縁の下の力持ち的な存在ではありますが、知る人ぞ知る畜産分野では比類なき独創的な機関です。更に今後は、国民の皆様にも広く認知して頂ける組織になるべく、強いリーダーシップを発揮し業務を推進していきたいと考えております。

当センターは、「食料・農業・農村基本計画」、「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」や「家畜改良増殖目標」等の実現に向けた政策実施機関としてその役割を果たすため、今後とも役職員一同が一致団結して、積極的な業務運営を図っていきたいと考えておりますので、引き続き皆様のご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

 

令和7年4月1日
独立行政法人家畜改良センター理事長 入江 正和