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人工授精の方法

最終更新日 2021/06/23
  1. 15℃又は5℃で保存しておいた精液は、湯煎で35~37℃に温めておきます。

  2. 精液注入器(下の写真参照)には、ゴム、シリコンラバー、プラスチックなどの製品があり、形も様々です。雄豚の陰茎を模したスパイラル状のゴム製注入器は雌の生殖器を傷付けることがなく、精液も逆流し難い特徴があります。注入器は、滅菌生理食塩水又は5~6%ブドウ糖液で内部を洗浄します。

  3. 生理食塩水などで湿らせた脱脂綿で、外陰部とその周辺を拭きます。

  4. 精液注入器を膣内に挿入します。挿入する際の留意事項は以下のとおりです。
    なお、発情している雌豚は、背部を両手で押したり、背に乗ったりするとじっとするので、保定の必要はありません
    • 豚の子宮頸管内は螺旋状の皺襞からなっているので、反時計回りに回しながら、第2~3の皺襞を過ぎた部位又はさらに深部まで精液注入器を挿入する。

    • 始めの10~15cmは、尿道外口を傷付けないように、精液注入器の先端をやや上向きにして挿入する。

    • 膣内が粘液に乏しく、挿入時に抵抗を感じるような場合、精液の入った容器(注射筒・パック・ボトル等)を接続し、精液を少し押し出して膣内を潤すようにする。

  5. 十分に深部まで挿入したら、精液の入った注射筒又はパック、ボトル等を注入器に接続する。注入は、2~3分の時間をかけ、逆流しないようにゆっくり行う。精液の注入速度が速かったり、授精時期が早過ぎたりすると、逆流を起こしやすいので注意が必要。

  6. 注入器が使い捨てでない場合、直ちに内部及び外部を流水で十分に洗い流します。