飼料生産・環境対策

臭気対策

最終更新日 2023/11/30
岩手牧場は、日本の乳用牛の育種改良を行うため、乳牛約800頭(うち、搾乳牛は約290頭)をけい養し、優秀な種雄牛生産に貢献しています。

この乳用牛からは、ふん尿が年間約11,300トン排泄され、これらは切り返しによる完熟堆肥化やバイオガスプラントによる消化液化の過程を経て、全量を肥料として土壌に還元し牧草の肥料として利用しています。

岩手牧場では、これらの過程で生じる家畜ふん尿由来の“におい”が皆様の迷惑とならないよう、日頃から様々な対策を講じています。

“におい”の対策について、以下をご紹介いたします。
【対策1】作業前に”におい”の流れを確認しています
①堆肥等を散布する際は風向きを確認し、住宅密集地に“におい”が流れ込まないほ場を選んでいます。

②夏場は気温や湿度が上がり、“におい”が拡散しやすいので堆肥散布は控えています。
また液肥(消化液)は通年散布なので、夏場は住宅密集地から離れたほ場に散布しています。
【対策2】散布後すぐに土壌へすき込んでいます
①“におい”が、住宅密集地に流れ込む可能性のある気象条件下で堆肥を散布する際は、散布直後にプラウ等で土中に堆肥をすき込み、“におい”の封じ込めを行います。

②堆肥等は、ほ場一面を散布した後にプラウですき込んでいますが、“におい”の苦情を受けた際は、散布作業を中断し、散布箇所のすき込みを行い、“におい”の封じ込めを行います。
【対策3】”におい”の少ない堆肥を散布しています
岩手牧場では一部の堆肥を約1年間堆肥化処理して無臭に近い堆肥(完熟堆肥)を製造しています。

この堆肥は、通常よりも有機質分解が進み、堆肥特有の“におい”が一般の堆肥よりも少ないため、住宅密集地付近のほ場に散布しています。
【対策4】専用の消臭剤で消臭しています
春から秋にかけては気温が上がり、“におい”も拡散しやすいことから、“におい”の発生源の一つである牛舎の換気部分にノズルを設置し、そこから消臭剤(エポリオン)を霧状に噴霧しています。
【対策5】良い香りの木を植樹しています
“におい”が発生する施設の風下に良い香りがする「香りヒバ」を植樹し、周辺の“におい”の低減を行っています。