2004年以降の牛群検定記録で、以下の条件を満たすもの。
難産率の評価値は、遺伝的に「難産」が生じる可能性について"産子難産率"と"娘牛難産率"の2つの評価値を確率(%)で表示しています。
産子難産率は、種雄牛Aを交配し受胎した雌牛が分娩する際に難産になるかどうかを表し、娘牛難産率は、種雄牛Aの娘牛が分娩する際に難産になるかどうかを表しています。
難産率の遺伝評価は、牛群検定で収集される分娩難易の記録を用いて行います。牛群検定では、下記の定義によりスコア1~5の5段階スコアで収集されていますが、各スコア間の区別に曖昧な部分があることから、難産率の遺伝評価においてはスコア1と2をひとまとめにして「問題なし」、スコア3~5を「難産」とした2区分に再分類した閾値データとして評価を行っています。
スコア | 定義 | |
1 | 自然分娩 | 問題なし |
2 | ごく軽い分娩介助 | |
3 | 2~3人を必要とした助産 | 難産 |
4 | 数人を必要とした難産 | |
5 | 外科処置または母牛死亡 |
2004年以降の牛群検定記録で、以下の条件を満たすもの。
a. 本牛の品種がホルスタイン種又は交雑種でかつ、母方祖父牛が明らか
b. 本牛の品種がホルスタイン種の場合、父牛が明らか
c. 授精日記録が明らかでかつ、妊娠期間が250~310日であること
d. 母牛の分娩時月齢が、初産分娩18~35カ月齢、2産分30~55カ月齢、3産42~75カ月齢、4産54~90カ月齢、5産66~105カ月齢の分娩記録
e. 産子の性別が判明。
f. 単子分娩記録(死産および受精卵移植でない)
g. 同一管理グループ(牛群・出生(2年毎にグループ))に同期牛が5頭以上存在すること
h. 同一牛群内で分娩難易スコア1又は2に極端に偏っている牛群の記録は分析から除外
y =hy+BYS+PA+SX+mpe+dg+mg+e
ただし、
y | Snellスコア変換後の分娩難易スコア(0~100%) |
hy | 牛群・出生年(2年毎にグループ化)の効果(変量効果) |
BYS | 地域(北海道と都府県)・出生年・季節の効果(母数効果) |
PA | 母牛の産次・分娩時月齢の効果(母数効果) |
SX | 性別・品種(ホルスタイン種又は交雑種)の効果(母数効果) |
mpe | 母性恒久的環境効果(変量効果) |
dg | 直接遺伝効果(変量効果) |
mg | 母性遺伝効果(変量効果) |
e | 残差(変量効果) |
産子難産率 | 0.010 |
娘牛難産率 | 0.005 |
2024-2月より採用
5年毎に移動するステップワイズ方式とし、2025年までの評価は2015年生まれの雌牛の産子難産率(直接遺伝効果)・娘牛難産率(母性遺伝効果)の平均育種価を7%として表します。