家畜改良

~豚~ 系統造成

最終更新日 2017/05/25
系統造成とは

わが国において、食卓に並ぶ豚肉の多くは、雌系品種と呼ばれる繁殖能力に優れたランドレース種と大ヨークシャー種を掛け合わせて産まれた雌豚に、雄系品種と呼ばれる産肉能力に優れるデュロック種を掛け合わせて産まれた子豚(肉豚)から生産されています。

掛け合わせに用いる品種内で、例えば発育が早い豚がいたり、遅い豚がいたりと個体の能力にバラツキがあると、生産される肉豚にもバラツキがでてしまいます。

肉豚には産肉性の高さや定時・定質・定量の出荷が求められることから、品種内での個体の能力のバラツキを無くし、かつ能力の高い豚群を作出する改良手法が系統造成です。

三元交配による斉一性に富む肉豚生産

系統造成の流れ
  1. 改良を行う形質、改良目標値を設定します。

  2. 素材となる基礎豚を導入し、群を閉鎖します。

  3. 閉鎖された群の中で交配を行い、産まれた子豚の能力検定を行います。

  4. 能力検定の結果から統計的手法を用いて遺伝的能力を推定し、能力に基づいて次世代の豚を選抜します。

  5. 3~4を繰り返し、1年1世代で世代を更新し、群全体の能力を高めていきます。
    また、群を閉鎖することから群内の血縁が高くなり、能力のバラツキが小さくなります。

家畜改良センターにおける系統造成

家畜改良センターでは、肉豚生産に及ぼす影響が大きい雄型系統であるデュロック種の系統造成を実施してきました。

最近では、平成17年に宮崎牧場において発育に優れた系統豚「ユメサクラ」が完成し、種豚や精液の供給を行っています。さらに、平成27年には宮崎牧場において発育に加え、肉質にも優れた系統豚「ユメサクラエース」も完成し、種豚や精液の供給を行っています。

系統豚「ユメサクラエース」についての詳細情報は 種畜供給のページ をご覧下さい。