山羊の放牧・植生管理調査事例
最終更新日 2017/08/25

 神津牧場での放牧事例紹介

当場では2006年(平成18年)から、市役所や農家の方々のご協力のもと、耕作放棄地に山羊を放牧して調査を行ってきました。放牧調査を進めていくと、害獣忌避効果など予想以上の効果も見られました。しかしながら、放牧地周辺を流れる小川の柵としての利用性を調査するため小川が流れる面には柵を設置せずに放牧を行ったところ、山羊が小川を飛び越してしまいました。
そのため、2006年度は繋牧による調査を実施し、2009年(平成21年)度はフェンスを作り放牧のリベンジを果たしました。
調査の結果、山羊は選り好みが少なく小柄で比較的扱いやすい家畜であるため、耕作放棄地対策に大変適した家畜である事が分かりました。

 放牧地概要
場所 ()神津牧場
群馬県甘楽郡下仁田町大字南野牧
250
位置 北緯:36°
東経:138°
標高:約1000m
植生 フェスク類、ケンタッキーブルーグラス、タンポポ、クローバーetc
その他 周囲を小川が流れている。(幅約1m、水深は浅い)
傾斜面がある。
観光客が自由に出入り出来る。

 

  小川のフェンス効果

2006年度は、小川を利用して放牧を行えないか調査しましたが、結論から言うと小川はフェンスにはなりませんでした。その原因として、1.放牧地に流れる小川は幅が1m程で水深も浅かった、2.小川には人が渡ることが出来るよう飛び石が置かれていた、3.ヤギが人に慣れすぎていて人の後をついて小川を渡ってしまった、ことなどが考えられます。
しかしながら、当初は小川に近付くのを嫌がったり、水辺まで来てもすぐに引き返すといった行動が見られたことから、やはり水は好まないようです。
また、小川を渡る際も体に水がつくのを嫌がり、ジャンプして渡っていたので、もう少し幅の広い小川ならフェンス効果が期待できるのではないでしょうか。
その失敗をふまえ、2009年度はフェンスを張り放牧を行いました。

  下草刈り効果・山羊の行動

放牧(繋牧)区

対照区

雑草の丈を短く保つ事が出来ている(左フェンスの中は採食していない状態右フェンス外は採食後の状態)

急斜面での繋牧でも平気で採食していました

刺のあるバラ科の植物も採食していました