2002年(平成14年)8月26日に独立行政法人家畜改良センター長野牧場の繋養山羊で山羊関節炎・脳炎が確認され、同日付けで家畜伝染病予防法第4条に基づく届出がされました。しかし、分娩監視を行うことによる親子分離、人工乳のみによる子山羊の哺育、親山羊舎と子山羊舎の作業動線の分離等による清浄化対策の結果、2006年(平成18年)に清浄化を達成し現在まで清浄性を維持しています。
今後も防疫体制の強化に努めるとともに、定期的な山羊群のモニタリング検査を行っていきます。
なお、本病の概要は以下のとおりです。
病原体 | 山羊関節炎・脳炎ウイルス |
感染経路 | ・感染母山羊の初乳及び常乳を介しての経口感染 ・長期間にわたる接触による水平感染 ・感染の多くは若齢期で、感染後生涯ウイルスを保持していく |
発症・症状 | ・発症率は低く、多くは無症状に終わる ・潜伏期間は長く、数ヶ月から数年 ・発病は潜行性で進行は緩徐で数ヶ月から数年に及ぶ ・主な症状-子山羊(2~4ヶ月令);脳脊髄炎、肺炎 -成山羊(12ヶ月令以上);関節炎 |
予防法 | ワクチンはない。隔離飼育と経乳感染の防止で感染は90%以上減少させることができる。 |
治療法 | 対症療法の他に特に治療法はない |
公衆衛生 | 人への感染性はない(感染山羊の肉、乳を摂食しても健康上の問題はない) |