2014年度 オーチャードグラスにおける春肥施用量の増加による採種性の改善に関する調査
最終更新日 2016/09/27

1.目的
オーチャードグラスは全国的に需要の多い草種として優良な国内育成品種も多数育成されているが、採種性の低さが指摘されている。このため、効率的な採種技術の確立が急務である。当場の過去の調査において、春肥施用量を増大させることによって採種量が増加することが示唆されたことから、今年度は採種量がもっとも多くなる春肥施用量を検討した。

2.実施年度
平成26年度 (実施期間:平成25年度~平成26年度)

3.要約
オーチャードグラスの極早生品種「アキミドリⅡ」の採種3年目のほ場(畝間75㎝条播栽培)を用いて、春肥施用量を窒素成分で10aあたり4kg(4N区、慣行)、6kg(6N区)、8kg(8N区)の条件で採種調査を実施した。この結果、施肥量の増大により採種量の増加が認められ、特に慣行の2倍量である8N区では慣行比174%の採種量となった。また、倒伏や病害等の栽培上のデメリットは認められなかった。なお、本試験のみでは春肥の最適量を推察することはできなかったため、今後さらなる増肥条件を設け、最適量の検討を行う必要がある。

4.成果の概要
オーチャードグラスの極早生品種「アキミドリⅡ」の採種3年目のほ場を用いて、採種栽培上の春肥施用量の検討を行った結果、採種量は窒素成分で慣行の4kg/10aから8kg/10aとすることで、70%以上も増収した。

5.具体的データ

各春肥条件における採種量および採種関連データ
項 目 一穂あたりの採種量 出穂茎数 採種量
区 分 畝間(cm) 施肥N:P:K(kg/10a) g/本 本/㎡ kg/10a
4N区(慣行) 75 4 : 4 : 4 0.15 226 34
6N区 75 6 : 6 : 6 0.11 347 37
8N区 75 8 : 8 : 8 0.18 328 59