2014年度 オーチャードグラスにおける栽植密度の違いによる採種性の改善に関する調査
最終更新日 2016/09/27

1.目的
オーチャードグラスは全国的に需要の多い草種として優良な国内育成品種も多数育成されているが、採種性の低さが指摘されている。当場の過去の調査では、ライグラスの早生品種では畝間を従来の慣行法である75㎝から50cmとすることで採種性が改善することが確認されている。このことから、オーチャードグラスの極早生品種においても同様に、畝間を75㎝から50cmとすることで採種性が改善するか調査した。

2.実施年度
平成26年度 (実施期間:平成24年度~平成26年度)

3.要約
オーチャードグラスの極早生品種「アキミドリⅡ」の採種3年目のほ場を用いて、畝間75㎝条播栽培(慣行)と、畝間50㎝条播栽培で採種調査を実施した。この結果、採種関連形質である出穂茎数が増加し、採種量も44kg/10a(標準比130%)と増加した。また、倒伏や病害等の栽培上のデメリットは認められなかった。

4.成果の概要
オーチャードグラスの極早生品種「アキミドリⅡ」の採種3年目のほ場を用いて、採種栽培上の最適栽植密度の検討を行った結果、慣行の畝間75㎝から畝間50㎝とすることにより、出穂茎数および採種量が増加する可能性が示唆された。

5.具体的データ

各畝間条件における採種量および採種関連データ
項 目 一穂あたりの採種量 出穂茎数 採種量
区 分 畝間(cm) 施肥N:P:K(kg/10a) g/本 本/㎡ kg/10a
畝間50cm 50 6 : 6 : 6 0.11 388 44
畝間75cm(慣行) 75 4 : 4 : 4 0.15 226 34
注)両条件ともに畝あたりの施肥量は等しい