ナゾの白い袋、多数現る ~ソルガムの遺伝資源保存事業~
最終更新日 2017/03/30

牧場の夏の風物詩、ソルガムの袋かけ作業もピークを過ぎ、ほ場には沢山の白い袋が出現しました。この作物は、「ソルガム」という牧草で、トウモロコシなどのように牛のえさとして、青刈、乾燥、サイレージ利用されます。
長野牧場では、(独)農業生物資源研究所をセンターバンクとする農業生物資源ジーンバンク事業のサブバンクとして、ソルガムの再増殖(種子の生産)、特性調査を担当しています。この事業は、国内外の動植物の遺伝資源を保存し、次世代に引き継ぐとともに、新しい品種を育成する際の材料の提供を目的としています。
毎年100系統以上、個体数にして3000株のソルガムの穂部分に白い袋をかぶせる作業をしますが、これは、互いに他の系統の株の花粉と交雑するのを防ぎ、遺伝的に純粋な種子を得るためです。原産国はアジア、アフリカ、アメリカなど、その来歴も様々ですが、その姿も千差万別。4メートルに及ぶ物もあれば、数10㎝のものもあります。
今後、実が熟す9月下旬から10月上旬にかけて穂の部分を切り取って収穫し、乾燥・調製をして、(独)農業生物資源研究所に種子を送付する予定です。

草丈の高いもの、低いもの、茎の太いもの、 細いもの・・・。様々な個性があります。

袋を掛けた日=穂の出た日とし、出穂日の記録。特性調査の一環です。

毎日チェックし、丁寧に袋をかぶせます。

中には、脚立を使って袋かけをする系統も・・・