ナゾの白い袋、多数現る~ソルガムの遺伝資源保存事業~
最終更新日 2016/09/27

今年も牧場のほ場に多数の白い袋が出現しました。袋を掛けている植物は、「ソルガム」という作物で、主に牛のえさとして、青刈、乾燥、サイレージ利用されます。
長野支場では、独立行政法人農業生物資源研究所をセンターバンクとする農業生物資源ジーンバンク事業のサブバンクとしてソルガム種子の増殖(種子の生産)と特性調査を担当しています。この事業は、国内外の動植物を資源として収集・保存し、次世代に引き継ぐとともに、新しい品種を育成する際の材料としても利用するものです。
例年100系統以上、個体数にして3000株以上の穂の部分に白い袋をかぶせますが、これは、他の系統の花粉と互いに交雑することを防ぎ、遺伝的に純粋な種子を得るため行う作業です。各系統の由来は国内、アジア、アフリカ各国、アメリカなど様々ですが、その姿も千差万別です。
今後、実が熟す9月下旬から10月上旬にかけて穂の部分を収穫し、乾燥・調製するとともに特性調査(草丈、茎の太さ、穂の形など)のデータを取りまとめ、農業生物資源研究所に種子を送付します。

駒場公園方面から来ると、交差点の左側に袋の掛かったソルガムが見えて来ます

草丈の高いもの、低いもの、茎の太いもの、細いもの・・・様々な個性があります

1本ずつ丁寧に袋を掛けていきます

日付を記入してから袋を掛けます。この日付は穂の出た日として記録します。特性調査の一つです。