産卵された卵が消費者の手に渡るまでには、選別、洗卵や輸送等の要因によって卵殻の破損が起こります。これによる損失は養鶏産業にとって大変大きな問題の一つです。
卵殻の強さは、遺伝的に強く支配されており、育種により改良可能です。望ましいのは、3.0kg/c㎡以上であると言われています。卵殻の強さに最も影響する栄養分はカルシウムです。ニワトリがカルシウムを摂取して消化されるとリンと結びつくか、フリーのカルシウムとして卵殻形成に利用されます。または、骨に貯えられ、利用されなかったものは排泄されます。
一般的に、飼料中のカルシウム含量が高くなるにつれて、卵殻は強くなります。しかし、高すぎると産卵率が低下します。また、卵殻強度は、呼吸器等の病気に感染した場合や、ニワトリの日齢が進むにつれて代謝の不調からか低下することが多いようです。