岡崎牧場の飼養管理(ふ卵)
タマゴを「ふ化」させ、ヒヨコにすることを「ふ卵」といいます。
岡崎牧場の設備
岡崎牧場が所有するふ卵用の機械は、セッターとハッチャーに分けることができます。セッターは、卵を定期的に動かしながら(「転卵」といいます。)温める機械、ハッチャーはヒヨコが生まれる4日前にセッターから卵を移動させヒヨコが飛び出さないようカゴ状の棚の中で温める機械です。
岡崎牧場は、セッター10台(昭和フランキ製 AS-10型 入卵数8820、村井孵卵機製作所 MIC-90型 入卵数9000)、ハッチャー5台(村井孵卵機製作所製 MIC-90型 入卵数9000)の計15台のふ卵機を所有しています。
セッター
ハッチャー
種卵とは

    種卵の条件

項目 条件
卵重 55~70gの範囲
卵形 過大・過小卵、複黄卵、奇形卵を除く
卵殻 表面が粗雑なもの、ヒビ割れのあるものは除く

    種卵の消毒

  鶏舎から貯卵室に入れる前、お湯(40~43℃)にアストップ(1,000倍)で3分間消毒します。

    貯卵条件

項目 条件
温度 15℃
湿度 75%(2週間保存する場合は湿度を90%程度とする。)
換気 軽度の換気が必要。卵は鋭端を下にした状態で保管する。
期間  貯卵は3日間程度(1週間以内)が良い。1週間以上貯卵すると漸次ふ化率は低下する。
(ふ化率は低下しますが、岡崎牧場では母ごとの家系ふ化のため2週間の貯卵を行っています。)
ふ卵作業

    入卵

  必要な卵が集まったら、孵卵機に種卵を鋭端を下にしてセットします。

ふ卵器(セッター)の設定
温度 37.6℃
湿度 55~60%
昭和フランキ製
村井孵卵機製作所

    転卵

  胚が卵殻に付着しないよう卵の向きを変えることです。
    1時間に1度行います。

    検卵

  10日目頃に胚発育状況をチェックします。
    部屋を暗くして、卵の上からライトを当てます。

生きている卵
発育が中止した卵

    下卵

  21日目頃からヒヨコが殻を割り始めるので、その前(18日目)にハッチャーへ移動します。種卵は母ごとに小さな仕切りの中にセットします。

ふ卵器(ハッチャー)の設定
温度 37.4℃
湿度  60~70%
ハッチャーへの卵移動
ハッチャーにセットされた卵
発生作業
生れたばかりのヒヨコ
ハッチャー内でヒヨコが生れている様子

    鑑別

  生まれたヒヨコはすぐに鑑別師さん達の手によって雄と雌に分けられます。
    ヒナ鑑別は日本で開発された技術です。
    鑑別師さんになるには、約5ヶ月間の専門研修が必要です。
    雄には赤い食紅で頭にしるしを付けています。

鑑別師さんによる鑑別の様子
肛門鑑別法

    翼帯(バンド)巻き

  鶏の個体識別のための番号がついています。
    この番号を使って、種鶏の選抜に必要な育成率、体重、産卵率、卵質等のデータを集計します。
    ふ化してすぐは脚に巻きますが、成長にしたがって翼に付け替えます。

翼帯巻の作業風景
翼帯が巻かれたヒヨコ

    番号の読み合わせ(家系選抜)

  鑑別師が区分した雌雄のヒヨコの選別と、選ばれたヒヨコの(翼帯番号)の登録を行います。
    この作業は、家系毎に平均的にヒヨコを採取し飼育予定羽数に合わせることを目的としています。

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