ニワトリについてのQ&A
 1.卵を採るニワトリと鶏肉にするニワトリの違いは
鶏には、卵を採ることを目的とした「卵用鶏(レイヤー)」と鶏肉として利用することを目的とした「肉用鶏(ブロイラー)」があります。
現在の卵用鶏や肉用鶏は、「いかに少ない飼料で、短期間に、多くの生産物を得るか」という目標の下に、鶏を長い年月をかけて何世代も交配させて品種改良の研究を積み重ねて作られました。従って、祖先は同じニワトリですが、何年もかけて卵をたくさん産む鶏を選んで作られた鶏種がレイヤーといわれ、より早く大きく体重が増加するように選んで作られた鶏種がブロイラーといわれます。また、体型は、レイヤーは細身で、ブロイラーは大型という傾向があります。
鶏の種類については、現在、レイヤーは白色レグホン種(白玉)やロードアイランドレッド(赤玉)が、ブロイラーは、白色コーニッシュ種と白色プリマスロック種を使用した交雑種があります。
 2.ニワトリが卵を産む仕組みは
雌鶏の卵巣から成熟して卵黄となった卵胞が鶏の体内にある卵管内に排卵され、この卵管内を約24~25時間かけて通過する間に、卵白、卵殻膜、卵殻が形成されて、完全な卵となって産卵(放卵)されます。
 3.卵が産まれてくる場所は
卵は肛門(総排泄腔)から出てきます。糞尿の出口と共通ですが、体の中(肛門の直前)では別々の器官になっています。
 4.なぜ毎日卵を産めるのか
鶏は、厳密には、毎日卵を産めるわけではありません。排卵されてから固い殻を持った卵が産まれてくるまでに約24~25時間かかりますので、1日に1個以上の卵は産めません。また、鶏が夜寝ている時は卵を産みません。このようなことから、数日間卵を産み続けた後は、1日または2、3日間産むのを休み、再び数日間卵を産み続けます。なお、このような産卵の周期は鶏の個体ごとに異なっています。また、鶏は年をとるにつれて段々卵を産まなくなってしまいます。
 5.年間産卵数は
品種によりますが、レイヤーは年間約280個程度の卵を産みます。
 6.なぜ毎日のように産めるようになったのか
現在のレイヤーは、長い年月をかけ、卵をたくさん産む鶏を選んで交配させる品種改良の研究を積み重ねて作られた鶏です。また、鶏が住んでいる鶏舎が、鶏が卵を毎日産むことができるよう鶏を飼う環境が整っているからです。
 7.ニワトリが家畜になったのはどこで、いつ頃のことか
家禽(かきん)としての鶏は、東南アジアに野生している野鶏を四千年以上昔に飼いならして作り上げたものです。これら野鶏は、赤色(せきしょく)野鶏、セイロン野鶏、灰色野鶏、緑襟(あおえり)野鶏の4種類で、その中の赤色野鶏が現在の鶏の祖先だと考えられています。
 8.ニワトリが日本に入ってきたのはいつ頃か
正確な年代はわかりませんが、少なくとも二千年から三千年前に、東南アジアから中国を通って入ってきたのではないかといわれています。
その頃の鶏は、古墳時代の埴輪等にその名残を見ることができます。
 9.日本で養鶏が始まったのはいつか
養鶏の歴史は、はっきりと分かっていませんが、文献によれば、奈良時代に九州の筑後守が農民に猪と鶏の飼育を奨励しているという記述が「續日本記」にあるようです。さらに、平安末期には30羽から50羽という数で飼育され、さらに鶏卵を販売する店もできたという記述(「大日本農功伝」)もあるようです。しかしながら、現在のように企業養鶏になったのは戦後のことです。
 10.原々種、原種、種鶏、実用鶏とは
 原々種、原種、種鶏、実用鶏の解説
用語 解説
原々種 産性が高く病気に強い等、実用鶏を作るための基礎になる鶏
原種 原々種鶏から選ばれた能力の高い鶏。
実用鶏のおじいさん鶏、おばあさん鶏に相当する。
種鶏 実用鶏のお父さん鶏、お母さん鶏に相当する。
実用鶏 コマーシャル(CM)鶏とも呼ばれ、農家で飼育されている鶏。
 11.日本に輸入されているのは原々種、原種、種鶏、実用鶏のどれか
原種、種鶏、実用鶏です。このうち、種鶏が最も多いです。
 12.国内で生産されているのは原々種、原種、種鶏、実用鶏のどれか
原々種、原種、種鶏、実用鶏全てを生産してます。このうち、実用鶏が最も多いです。
 13.外国から輸入しているのか
鶏種の94%は外国から輸入しています。
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