タマゴの部位について
タマゴの断面図
各部位の解説
 卵殻(らんかく)
卵殻の色は、プロトポルフィリン(Protoporphyrin:茶)、ビリベルジン(Biliverdin:青)の2種が主要な色素です。

白:白色レグホーン等
褐:白色プリマスロック、横斑プリマスロック、ロードアイランドレッド等
青緑:アロウカナ
 胚(はい)と卵黄(らんおう)
胚(薄い橙色の円形の部分):ヒヨコになる部分です。
卵黄(黄緑色の丸の中):ヒヨコのお腹の中に取り込まれて栄養になります。
 気室(きしつ)と卵殻膜(らんかくまく)
卵の殻には微小な気孔が無数存在し、空気の出入りが可能な構造となっています。気孔の数は鈍端(丸い方の端)の方が多くなっており、鈍端側からは空気が入り易くなっています。
また、殻と白身の間には2枚の膜(これを「卵殻膜」と呼んでいます)が存在していますが、外側の膜は殻の内側と強く結合しています。
このため、鈍端側では、外側の膜と内側の膜の間に空気の層が出来やすくなります。この空気の層を「気室」と呼んでいます。
 カラザ、濃厚卵白(のうこうらんぱく)と水溶性卵白(すいようせいらんぱく)
カラザ(黄緑色の円の中):卵が回転してもその中で常に胚が上に来るようにしています。
濃厚卵白(黄色の円の中):カビ等が繁殖し腐敗しないような働きがあります。
水溶性卵白(黄色の円の外):(濃厚卵白と同様の機能です。)
その他の部位
 二黄卵(におうらん)
140日齢頃から雌鶏は卵を産み始めますが、まだ完全に大人になっていません。このため、排卵が安定せず、短時間又は同時に2つの卵胞が排卵され、これらが同一の卵白と卵殻に包まれてできたものです。
また、同様に3つの卵胞が排卵され包まれたものもあり、これを三黄卵と呼んでいます。
 肉斑(にくはん)
卵内に肉片のようなものが付着したものです。発生原因は、以下があると考えられています。
・卵巣で卵黄が排卵されるとき、卵胞組織の一部が卵黄表面に付着した。
・卵黄膜物質が固まり卵黄の表面に付着した。
・卵殻の色素(プロトポルフィン)が卵白に沈着した。
 血斑(けっぱん)
卵内に血液が付着したものです。卵巣又は輸卵管の毛細血管が破れて血液が卵黄または卵白内に付着したものです。
 参考文献
   卵の科学、タマゴの知識、鶏の改良と繁殖、養鶏 科学・技術・産業、ニワトリの動物学
 関連ページ