飼育方法

肉用種鶏の制限給餌

最終更新日 2021/03/09
ここでは、体重の増えすぎによる産卵率や受精率の低下を防ぐための制限給餌方法を紹介します。
開始時期
3週齢頃から始めると、鶏のストレスを軽減しつつ産卵率を向上させる効果が大きくなります。
育成期
兵庫牧場では鶏の増体(発育の早さ)に着目しているため、餌付けから一定の期間は飽食(自由給餌)で飼い、体重を測定した後に制限給餌を開始します。
基本的には表のとおりに給餌しますが、定期的に体重測定を行って実際の体重と目標体重を比較しながら給餌量を調節しています。
なお、軍鶏(831系統)および名古屋種等については過食を防ぐ程度の緩やかな制限を行っているため、「その他日本鶏の参考値」をもとに過去の体重と比較しながら給餌量を調節しています。
成鶏期
    雄
成鶏舎へ移動した後の給餌量は、育成舎での給餌量を考慮しつつ110~120g(日/羽)に設定し、体重の推移や気温によって調節しています。ただし、給餌量は最大でも140~145g(日/羽)を限度としています。
 
    雌
成鶏舎へ移動した後の給餌量は、育成舎での給餌量を考慮しつつ設定し、産卵率に応じて調節しています。ただし、体重が増えすぎている場合は、給餌量を増やすタイミングを遅らせるなどして対応しています。
    雌雄別給餌
種卵を採取するための鶏舎では雌雄を同じ部屋で飼いますが、飼料の成分や給餌量が雌雄で異なるため、雄が雌の、雌が雄の餌を食べてしまうと体重や産卵に影響が出てしまいます。そこで、雄用の給餌器は雌が届かない高さに設置したり、雌用の給餌器は雄の顔(鶏冠)が入らないように工夫したりすることで、雌雄別々に給餌できるようになります。
雌雄別給餌のための工夫
兵庫牧場で給与している飼料
兵庫牧場では配合飼料のほかに、冬季には成鶏雄の活力を維持するためのニンニク粉末を添加したり、卵殻強度が低下しやすい産卵後期には牡蠣殻を添加したりして、鶏の能力を安定させるようにしています。
留意点
品種や系統によって餌を食べ終わる時間に差があるため、異なる品種や系統を同じ部屋で飼うことは避けてください。また、雌雄によっても餌の成分や給餌量が異なるため、同じ部屋で飼うことを避けるか、雌雄別々に給餌できるようにしてください。
飼養形態(ケージ飼いまたは平飼い、飼養密度等)、飼料の代謝エネルギー(ME)や粗タンパク質(CP)、制限給餌の開始時期や季節によっても適量は変わります。鶏の状態をよく観察しながら、給餌量を調節してください。
制限給水
制限給餌を行うと飲水量が増加して水様便となってしまうため、対策として給水も制限する方法があります。ただし、鶏が活動的な時間帯は水を十分に与えるようにするべきであるため、断水は基本的に夜間に実施します。
軍鶏の飼養管理
兵庫牧場で飼養している軍鶏の実際の給餌量や体重等についてはこちらをご覧ください。
 
 
【免責事項】
下記『免責事項』をご確認ください。
 
【お問い合わせ先】
家畜改良センター兵庫牧場 業務課
TEL:0791-66-0801 FAX:0791-66-0803
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