烏骨鶏について
品種の特性
烏骨鶏は、小柄であるため肉量が非常に少なく、年間産卵数も170~180個と決して多くないため、実用鶏としての利用には不向きな品種であると言われてきました。
一方、百貨店等の食品売り場では、卵が一個約500円程度の高値(※1)で販売されることもあり、特殊な肉を扱う販売店では、その独特の黒色の肉を目にすることができます。その理由は、烏骨鶏の卵や肉には、ある種の薬効があると考えられているからです。
「本草綱目」によれば、卵は肺病の薬や鎮静剤として利用され、肉は不妊病の薬等に利用されてきたとされています。現在では、薬品としての利用は少なくなってきているようですが、スープ類等にして、健康を保つための食品として広く親しまれてきており、専門で飼養する農家も出てきているようです。
※1:スーパー等での白玉の卵の価格は1パック(Lサイズ、10個入り)で200~250円。
歴史
烏骨鶏の原産地は、中国、インド、ベトナム等の東南アジア方面が有力とされており、日本には、17世紀に渡来したと言われています。その後、日本鶏の一つとして飼養されるようになり、1943年には、天然記念物に指定されました。
岡崎牧場における利用
岡崎牧場では、徐々に育種規模を増やしており、現在、雌を400羽程度飼養しています。また、近親交配によって、烏骨鶏の特徴(球状の鶏冠(とさか)や鉛色の脚等)が失われないように注意しながら、長い世代をかけ、産卵性能を上昇させる方向で育種改良を行っており、岡崎牧場の烏骨鶏の産卵率はピークで7割程度となっています。
なお、烏骨鶏については、平成28年度から実用鶏を目指して交配試験も開始しています。
 参考文献
    欧州家禽図鑑、鶏と人民族生物学の視点から、食品価格動向調査(農林水産省)
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