日本ザーネン種など体が大きくなる山羊の場合、角は山羊にとっても飼養者にとっても危険です。山羊同士の争いによるケガを防止し、飼養者が安全に飼養管理を行うためにも除角を行いましょう。
山羊の除角には、電気除角器(デホ-ナー)を使う方法、薬品(苛性カリ)を使う方法などがありますが、ここでは、当場で実施しているデホ-ナーによる方法を紹介します。
山羊の除角
最終更新日 2018/05/14
はじめに
角の有無と除角時期
子山羊の頭部に旋毛が有るか無いかで角の有無が分かります。有角の山羊は、生後1週間程で角が生え始めます。
除角は生時体重や発育にも左右されますが、生後7~10日程度で除角します。
除角は生時体重や発育にも左右されますが、生後7~10日程度で除角します。
![]() 有角:旋毛有り |
![]() 無角:旋毛無し |
必要な道具

・電気ゴテ(先が尖ったもの)
・はさみ
・マジック
・ヨードチンキ
・ひも(子山羊保定用)
・手袋
除角方法
1.デホーナーと電気ゴテを十分に加熱しておく。 2.角の周りの毛をはさみで切り、
子山羊の両脚を交差させてひもで結ぶ。 角の中心にマジックで印をつける。
作業者の股の間に子山羊の頭をはさみしっかり保定する。
3.デホーナーの中心が角の中心になるよう、 4.除角した部分の縁に電気ゴテを当て、
先端が頭蓋骨に当たるまで5~10秒当てる。 皮膚が頭蓋骨に付着している部分をはがしながら
数回繰り返し頭蓋骨に当たったら(白い骨が見えたら) 焼き付けていく。
デホーナーを横向きにして角芽を焼き切る。 除角後、ヨードチンキで消毒する。
除角後の様子
![]() 除角1週間後 |
![]() 除角2ヶ月後 |
注意事項
- 除角は、子山羊の反応や鳴き方に注意して行います。加熱しすぎるとショック死することがあります。
- デホーナーが頭蓋骨にあたる感覚は経験により得られるものです。除角初心者は、できるだけ経験者の指導のもとで行いましょう。
- デホーナーは当てすぎないようにしましょう。脳症の原因になることがあります。
- 出血して止まりが悪い場合は、電気ゴテで焼くか強く圧迫して止まるまで待ってください。
-
傷に雑菌が入り化膿することがあるため、除角痕をよく観察しましょう。
化膿した場合は獣医師に相談し、消毒し抗生物質軟膏を塗ったり抗生物質を投与します。 - 除角時期が遅い場合や、雄の場合は角芽が広いため再除角が必要になることがあります。