家畜の衛生管理

牛伝染性リンパ腫

最終更新日 2023/11/15

牛伝染性リンパ腫(地方病性牛伝染性リンパ腫)は、ウイルスの感染により全身に悪性リンパ肉腫を形成する牛の疾病で、感染してから発症するまでの期間が長く、ワクチンによる予防や治療方法はありません。
育種改良や種畜生産・供給を行うセンターにとって、本病の侵入は育種素材の喪失、種畜供給の制限等により非常に大きな影響を及ぼすと考えられます。
ウイルスに感染した血液が感染源となり、注射器具や直腸検査用手袋の使い回し、吸血昆虫(アブ等)を介して伝播する他、感染母牛の子宮内感染も報告されています。

センターでは、器具の適正な取扱い、吸血昆虫の駆除、外部導入牛の検疫等により侵入防止に努めるとともに、毎年の定期検査による清浄性の確認を行い、清浄を維持しています。
さらに、牛の国際取引に適用されるOIEの基準では、感染牛の摘発がないことに加え、36か月以内の間隔での全頭検査(24か月齢以上の牛)で陰性であることが清浄農場に求められており、センター各牛牧場はこれを満たしています。

家畜改良センターの牛伝染性リンパ腫対策状況

新冠牧場 全ての牛牧場でOIEの基準に準拠した自主検査により清浄性を確認
十勝牧場
奥羽牧場
岩手牧場
本所
鳥取牧場
熊本牧場
宮崎牧場

 

肉牛の放牧風景

乳牛の放牧風景