令和5年度鶏改良推進中央協議会

独立行政法人家畜改良センター岡崎牧場は、令和5年10月13日、オンラインで令和5年度鶏改良推進中央協議会を開催しました(協賛:大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 基礎生物学研究所)。

鶏改良推進中央協議会

冒頭の、丹菊場長から「鳥インフルエンザについて昨シーズンは24県84事例1771万羽の発生があった。警戒を強化し、発生予防対策の徹底を図る必要があり、関係者の皆様方におかれましても、発生予防に万全を期していただくことをお願いしたい。円安やウクライナ情勢の影響等による世界的な物価高等により、輸入穀物や燃料の調達コストが上昇し、鶏卵、鶏肉の生産にも大きな影響が生じている。各都道府県やその他の関係者の方々からのご意見もいただき、家畜改良センターの鶏改良にできるだけ反映させ、実需者のニーズに沿った国産鶏種の改良を進めたい」と挨拶がありました。

鶏改良に関する取り組みと中央情勢報告状況

鶏改良に関する取り組み状況として、育種改良の現状と今後の方向性、地鶏等の組合せ検定について、都道府県が実施する改良増殖の取り組み状況、更に、都道府県が実施する調査試験実施状況について岡崎牧場と兵庫牧場が報告しました。また、農林水産省畜産局畜産振興課の信戸一利課長補佐から中央情勢として、養鶏をめぐる情勢について報告がありました。その後、肉用鶏分科会からの成果報告として、飼養管理分科会より高知県畜産試験場の尾野由佳氏から各県の生産性向上への取り組みや飼養管理技術等についての報告及び育種開発分科会より熊本県農業研究センター畜産研究所の池田佳穂氏から各県のゲノム育種への取り組み状況等について報告がありました。

病原性鳥インフルエンザの流行と疫学

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門 越境性家畜感染症研究領域 疫学・昆虫媒介感染症グループの山本健久グループ長から、世界および日本での高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の流行状況および国内で発生したHPAIの疫学調査の結果について説明がありました。

外国の種鶏生産の現状

株式会社アイエスエージャパン代表取締役の後藤直樹氏から世界でのHPAIの発生状況について説明の後、育種会社の種鶏供給体制および日本の種鶏の輸入状況についての説明がありました。また、フランスでのHPAIワクチンの使用による日本での輸入停止措置に係る今後の動向について説明がありました。

ドローンの農業分野、畜産分野への利用

ciRobotics株式会社ドローンDiv.リーダーの長尾祥伍氏から農薬散布ドローンおよび活用事例と糸張りドローンの開発状況について紹介がありました。また、ドローンの畜産分野への応用について今後の展望について説明がありました。

IBBPセンターにおける生物遺伝資源のバックアップ保存

大学共同利用機関法人自然科学研究機構基礎生物学研究所の成瀬清 特任教授からIBBPセンターの概要と保管施設の利用及び申請方法について紹介されました。

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