独立行政法人
家畜改良センター鳥取牧場

家畜改良の推進、優良な種畜や飼料作物種苗の生産・供給等を通じて、
我が国の畜産の発展と国民の豊かな食生活に貢献することを使命としています。

家畜改良

分割双子検定

分割卵双子を利用したクローン検定のメリット

◎クローン検定

肉用牛のより効率的かつ効果的な育種改良手法を実用化するため、クローン検定等に取り組んでいます。
肉用牛の種雄牛は、通常、発育の良さ、肉量、肉質等の能力を調査し、優れたものが供用されます。調査する項目のうち肉量、肉質等は、と殺後でなければ調査することが出来ないため、その牛自身を調査するのでなく、一般にその牛の後代牛を多数生産して肥育し、と殺後の肉を調査して能力を推定しています(後代検定)。
鳥取牧場では一卵性双子が遺伝的に同一(クローン)で、能力も同じであることを前提とした方法を試行しています。

その方法は、2つに分割した受精卵から生まれた一卵性双子の一方を種雄牛候補として育成し、他方を去勢・肥育・と殺して肉を調査し、その成績から種雄牛候補として育成していた牛の能力を推定しようとするものです。
このように遺伝的に同一な個体を用いる検定方法をクローン検定と呼んでいます。
後代検定が種雄牛候補の生産から検定終了まで5年以上を要するのに対して、クローン検定ではその約半分の期間で能力を推定することが出来るなどのメリットがあります。しかし、技術的な困難も大きいため、技術改善や利用方法の検討に取り組んでいます。(現在:クロ-ン牛の成績を参考にして候補種雄牛の選定を行っています。)       

雌牛もこれまで、産子の肥育成績により産肉能力を推定していましたが、クロ-ン検定を行うことにより、産子の肥育成績を求めることなく早期に産肉能力の判定が可能になります。(クロ-ン検定1頭と産子7頭が同じ能力推定レベルといわれていますので、クロ-ン検定を行うことにより、優良な雌牛の早期選抜が可能となり、優良雌牛群の形成に有利だと言えます。)
1.クローン検定手法と従来手法との違い(雄牛)
genken2008の画像

kuron2008osuの画像

(主な特徴)
・優良種雄牛の選抜までの期間が後代検定の約半分となり、改良スピードが大幅にアップ
・後代検定と同じ施設で、より多くの種雄牛候補の能力を判定可能。
・卵分割等の高度技術が必要。

2.クローン検定(雌牛)概要
kuron2008mesuの画像

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