優良雌牛紹介 第5回
 第5回 「きくつるみ2」号
「きくつるみ2」はLIAJで繋養されていた種雄牛 「美津照」 の母牛です。
母系は 「谷福土井」 や 「第2安鶴土井」、「菊安(事業団)」などが輩出されている「きくつる」系で兵庫県から平成8年10月6日に導入された牛です。
 
→「きくつるみ2」の母系図 別ウインドウで開きます
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「きくつるみ2」は純但馬とは思えないほど大きく、23ヶ月齢時の体高は129.6cmでありました。そのため、牛群編成を変えた時に発生する群内順位決めの喧嘩でも、決して増体型の牛に負けることはありませんでした。
しかし、気性はむしろおとなしく、群内の順位が上位になっても他の牛をいじめることは一切しません。純粋但馬の牛の中にはやや神経質な牛もいるのですが、「きくつるみ2」はおとなしく(周りをあまり気にしない?)穏やかな牛でした。
そのため、この体格のよさと性格も兼ね備えた種雄牛が作出できれば、「質量兼備だけでなく飼いやすい但馬系ができるのではないか」と考えていました。
「きくつるみ2」の産子 「美津照」 は間検終了時での育種価も非常に高く活躍を期待していましたが、早逝してしまったため、一時期 「第2美津照」 の造成に取り組みました。しかし、今となってはもう少しバラエティに富んだ後継牛を作っておくべきだったと少し後悔しています。
「きくつるみ2」はこれまでに人工授精や受精卵移植技術により14頭の産子を生産しています。
うち9頭が「美津照」の全きょうだい、つまり「美津福」の子供です。黒毛和種で全きょうだいを9頭も生産した牛は珍しいと思います。
次回は「美津照」をはじめ「きくつるみ2」の息牛達をご紹介します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
10歳前後の「きくつるみ2」号